アニメーション映画
漫画版の映画化権を手に入れたジャン=シャルル・オストレロにより、フランスで2021年にアニメーション映画化された。題名は漫画版のフランス語訳題と同じ『Le Sommet des dieux』としたが、「dieux(神々)」すなわちアニミズムに馴染みのないフランス人に理解してもらうのに苦労したとしている[16]。2021年7月に第74回カンヌ国際映画祭でプレミア上映されたのち、同年9月にフランス国内で300を超える劇場で公開され、コロナ禍にも関わらず13万人超の動員を達成した[36]。その後、米国で2021年11月24日、英国で同年11月26日に英語吹き替え版が公開され[37]、日本では2022年7月8日に日本語吹き替え版が公開された[38]。また、Netflixが配信権を得て、2021年11月から日本国など一部の地域を除く全世界で配信をしている[39]。第47回セザール賞アニメーション映画賞並びに第27回リュミエール賞最優秀アニメーション賞を受賞した[36][40]。
スタッフ
フランス語版キャスト
英語版キャスト
日本語版キャスト
参考文献
- 田部井淳子『七大陸最高峰に立って』(小学館、1992)
- ブノワ・ペータース 著、染谷誠 編『描くひと 谷口ジロー』双葉社、東京、2019年9月29日。ISBN 978-4-575-31492-2。 NCID BB29080545。OCLC 1126777928。全国書誌番号:23284053。
神々の山嶺
概要
登山家である羽生丈二が、前人未到のエベレスト南西壁・冬期無酸素単独登頂に挑む姿を描く。ストーリーに「ジョージ・マロリーはエベレストに登頂したのか」という実際の登山界の謎を絡めており、その謎に答えを出しているが、内容はフィクションである。
登山者向け雑誌『岳人』(ネイチュアエンタープライズ)では、2014年9月号より夢枕による『「神々の山嶺」創作ノート』を連載した。
また、この小説を原作とした漫画作品が谷口ジロー作画で『ビジネスジャンプ』(集英社)に2000年から2003年まで連載された。単行本全5巻。この作品は2001年に第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門・優秀賞を受賞した。2016年には実写映画化されている。
スピンオフ作品として長谷常雄が主人公の『呼ぶ山』があり、夢枕獏山岳短篇集の表題にもなっている。『グランドジャンプPREMIUM』2016年3月号では猿渡哲也の作画で漫画化された。
2021年には『Le Sommet des Dieux』のタイトルでフランスでアニメ化され[1]、同年11月よりネットフリックスによって全世界(一部地域を除く。後述)へ配信された[2]。日本では2022年7月に劇場公開された。
あらすじ
メンバー全員が45才以上で構成される中年のエベレスト登山隊は、2人の滑落死者を出し失敗に終わる。遠征に参加したカメラマンの深町は帰国する隊員と別れ、あてどなくカトマンズの街をさまよう中、ふと立ち寄った古道具屋の店先で、年代物のカメラを目にする。
エベレスト登山史上最大の謎とされているジョージ・マロリーの、登頂の成否が記録された遺品と見た深町は即座に購入するが、カメラは宿泊先のホテルから盗まれてしまう。カメラの行方を追う内に、そのカメラはビカール・サンと呼ばれる日本人から盗まれた故売品であることが判明する。(ビカール・サンはネパール語で毒蛇の意味)故買商からカメラを取り戻すために、深町の前に姿を現したビカール・サンは、かつて日本国内で数々の登攀記録を打ち立てながら、ヒマラヤ遠征で事件を起こし姿を消した羽生丈二その人であった。
恋人との生活も破綻し、目標を見失いかけていた深町は、羽生の熱気に当てられるように、その足跡を追い始める。日本にいた頃の羽生は一流のクライマーだが、無愛想で、登山を優先するために定職につかず、海外遠征の資金にも事欠くフリーターだった。名を上げればスポンサーも付くはずと、危険な冬山登山を成功させたが、有名になったのは、直後に単独登頂を果たしたライバル・長谷常雄だった。
ザイルパートナーの岸文太郎を死なせる事故を起こし、登山仲間からますます敬遠され孤立する羽生。だが羽生は、死んだ岸の妹・涼子に、無記名で何年間も贖罪の金を送り続けるような男だった。
それらの事情を調べ上げ、涼子から最後の送金がネパールの消印だった事実を聞き出す深町。羽生を慕う涼子を伴って、深町は再びネパールに飛んだ。盗まれたカメラを探して怪しげな故買商を巡る内に、羽生がシェルパのアン・ツェリンの家に同居していることが判明した。羽生がアン・ツェリンの娘と夫婦になっていると知った涼子は、静かに日本に帰っていった。
羽生が登山家としては既に峠を越した年齢でありながら、エベレストの最難関ルートである南西壁の冬季無酸素単独登攀を目論んでいると察知した深町は、カメラマンとして同行を申し出た。証拠写真など必要ないと断る羽生。だが、深町は諦めずに同行の許可を勝ち取った。話もせず、手も貸さないという条件で、羽生の後方から登攀を開始する深町。
空気の薄い八合目で天候が急変し、深町は絶壁に張り付いたまま意識を失う。そんな深町を救助し、背負ってビバーク地点まで登りきる羽生。翌日、深町を下山させた羽生は、単独でさらに登攀を続けた。ベースキャンプまで戻り、シェルパのアン・ツェリンと共に待ち続ける深町。だが、羽生は遂に戻らず、登頂に成功したか否かも分からずじまいとなった。
ベースキャンプを畳み下山する際に、深町に小さな包みを渡すアン・ツェリン。それは、探していたカメラだった。羽生は何度も南西壁に挑むうちにマロリーの遺体を発見し、カメラを持ち帰っていたものの、フィルムの現像には興味がなかった。カメラに添えられた手紙には「登頂だけが、俺やマロリーが山に登る理由ではない…」と、羽生の思いが綴られていた。
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