2026年6月15日月曜日

ジョン・ディクスン・カー No.16◇幽霊射手◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

ジョン・ディクスン・カー No.16◇幽霊射手◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

ジョン・ディクスン・カー No.16◇幽霊射手◇

矢を射ったのは実体のないーーー「幽霊射手」!? 怪奇と不可能趣味ーーーこれぞディクスン・カーの世界!

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◇幽霊射手◇ -The Door to Doom & Other Detection-

ジョン・ディクスン・カー 宇野利泰 訳

「妖魔の森の家」「パリから来た紳士」などとともに、鮮やかな手並みが印象的なラジオ・ドラマの脚本「B13号船室」、二十一歳のときの習作「死者を飲むかのように……」をはじめ、「山羊の影」等のバンコランものの短編を収録。カー研究の第一人者ダグラス・G・グリーンが、『夜歩く』発表以前に書かれた短編や、四〇年代のラジオ・ドラマの脚本等を発掘、収集した作品集成。

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1.死者を飲むかのように……

   (As Drink the Dead...)

   ……教皇アレキサンドル6世とチェーザレ・ボルジア毒殺に使われた「悪魔の杯」は飲む人を殺すという伝説があった。何百年経った今も「悪魔の杯」は冷酷な毒殺者となるのか……?

2.山羊の影 

   (The Shadow of the Goast)

   ……1人の男が殺され、1人の男が完全な密室から姿を消した。殺人と消失にどのような繋がりがあるのか。そして山羊の影とは……?

3.第四の容疑者

   (The Fourth Suspect)

   ……バンコランはヴィヨン伯爵からスパイ殺害事件の解明を依頼された。スパイ身分証明書から犯人も分かるというが……

4.正義の果て

   (The End of Justice)

   ……バンコランが尊敬する慈善家に殺害容疑がかけられた。フェローズの無実を信じるバンコランは調査を開始する。果たしてバンコランは間に合うのかーーー!?

5.四号室車の殺人

   (The Murder in Number Four)

   ……夜行列車「青い矢」には幽霊が出るという噂があった。もともと曰く付きなのにさらに殺人まで起こった。殺人犯は、窓から覗く不気味な影は誰なのか。

6.B13号船室

   (Cabin B-13)

   ……1組の新婚夫婦が船に乗り合わせた。ところが客室たるB-13船室は存在せず、夫の姿まで消えてしまった。しかも船員は女1人で乗船したと言う始末。絶望した妻はーーー

7.絞首人は待ってくれない 

   (The Hangman Won't Wait) 

   ……ヘレン・バートンの処刑かまもなく執行される。しかし本人は記憶消失を患っていた。記憶を取り戻すと今度は無実を訴える。それは嘘なのか。真実なのか。しかし死刑執行の時は刻々と近づいていく……

8.幽霊射手

   (Phantom Archer)

   ……帰ってきたクリスを待っていたのは叔母が殺害されたというニュースだった。しかし凶器である矢は生きた人間ではなく、幽霊が射ったという。その真相とは?

9.花嫁消失

   (The Bride Vanishes)

   ……結婚したての妻ルーシーは初めて来たカプリ島で人という人がルーシーをじろじろ見るのが気にかかる。以前、ルーシーに瓜二つの女性が謎の失踪を遂げたというのだ。その真相とは?

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「幽霊射手」です(・∀・)

全9編!

この短編集はカー死亡後にカー研究者であるダグラス・グリーンによってまとめられ、世に送られました。

本作は

カーが最初に発表した作品や、

バンコラン登場作品から、

はたまたラジオ作品まで

今まで陽の目を見なかった作品が収録され、大変貴重な短編集です。

「死者を飲むかのように」は正真正銘の処女作。ここで登場するフォン・アルンハイム。

「なんか聞いたことあるような?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。それもそのはず。

「髑髏城」でバンコランと張り合ったあの人です。

ですが、読んでいると彼も負けずと狂人です。死を目の前に筆を進めるところが狂ってます。

狂人といえば。

初期のバンコランって普通だな。

「夜歩く」以降から見られる冷酷さがあまり出ていません。印象が薄い。

というか長編のバンコランが怖いだけか!←

死体を前に鼻歌歌ったり、犯人に死の賭けを持ち出したり、生首持ってこっち来いとか言うから……

この3つの出典が分かった貴方は立派なバンコラン通です。

2、3、5はともかく4の「正義の果て」は今までない最悪な後味で終わります。バンコランに人間味があるなんて……!←

6~9はラジオドラマ。ラジオドラマはエラリー・クイーンがかなりやってますが、ディクスン・カーもやっていたんですね。

フェル博士が登場する「絞首人は待ってくれない」は「正義の果て」と同じく手に汗を握るデッド・リミットもの。「正義の果て」を読んだ後だと心臓に悪い。

6、8、9は特定の探偵のいないノン・シリーズ。

6と9については、

ダフネ・デュ・モーリア!?」

と見紛うようなあらすじ。短編集「鳥」の中にある「裂けた時間」に「B-13船室」がほとんど同じと言っていいぐらい、よく似ています。「花嫁消失」も似たような感じだし。違いはその説明が合理的につくかつかないか。です。

うーん。6~9は長編にした方が絶対面白かったと思う。ラジオドラマだけだなんてもったいない! 加筆すれば良かったのに! 謎が魅力的なのにすぐ終わっちゃうなんて……!

「幽霊射手」でした(・∀・)/

次回はもっともっと黒後家蜘蛛の会(*^o^*)/~

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