2025年9月5日金曜日

都築政昭『黒澤明の映画入門』に誘われて|Kent Nishihara

都築政昭『黒澤明の映画入門』に誘われて|Kent Nishihara
映画は「カットとカットの繋ぎ目、その微妙な繋ぎ目の呼吸から」生まれる、という「創造の秘密」を、黒澤はよく語ったという。〈その一番いい例がね、『生きる』でね〉と言われても、映画のシーンをトンと思い出せない。
https://note.com/kent248/n/n26f188c127e7

都築政昭『黒澤明の映画入門』に誘われて

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都築政昭『黒澤明の映画入門』(ポプラ新書)を読みながら、黒澤映画のビデオをいくつか鑑賞した。

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というのも、黒澤が「世界のクロサワ」になった『羅生門』は、言うまでもなく芥川龍之介の『藪の中』を原作としているが、「黒澤は『羅生門』を、人間不信のまま終わらせたくなかった。そこで彼は原作にはなかった、門に捨てられた赤子を、杣売(薪売り)が貰い受けて育てる、というエピソードを新たに加えた」「こうして黒澤は、人間への信頼を取り戻すことで『羅生門』を終えたのである」と言われても、かつて『羅生門』を観たときの記憶はすっかり薄れていて、アレッ、そうだったのか、という始末である。

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とは言え、黒澤が〈『藪の中』は芥川さんの嘘だと思うんですよ〉と言うなら、作品としてどうなのか、わが目で確認せずにおれなくなって、ビデオを視聴したという按配である。

映画は「カットとカットの繋ぎ目、その微妙な繋ぎ目の呼吸から」生まれる、という「創造の秘密」を、黒澤はよく語ったという。〈その一番いい例がね、『生きる』でね〉と言われても、映画のシーンをトンと思い出せない。

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確かに「生きることに覚醒した渡辺(勘治・主人公の市民課長)が、小公園づくりに邁進する……それは確かに美談だが、ドラマとしては面白く」ならないだろう。「そこで黒澤は、渡辺が真に生きることに目覚めたところで、いきなり彼の通夜の写真を持ってきた。その衝撃と飛躍……。場面は通夜となり、集まった部下たちの口から、渡辺の献身的な生き方、その無償の愛の日々がしだいに明るみに出てくる……」というのだ。

著者が言うところの「庶民の英雄の誕生」である。「その衝撃と飛躍」はまったく記憶に残っていない以上、あらためてビデオを見て確かめずにはおれなかったという次第である。

桑原武夫が「日本に活劇のリアリズムをはじめて打ちたてた」と評した『七人の侍』は、じつは「ロシア文学に造詣の深い黒澤はトルストイの『戦争と平和』をベースに置いた」と知って、今更ながら驚いた。著者は「映像美と映画精神の最高の果実」と賛辞を惜しまない。

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「娯楽映画の金字塔を打ち立てた」とされる『用心棒』には、「冷戦下の米ソ大国、その軍拡競争、両方を戦わせて自滅させるという構成には、戦争に勝者はいないという大義が込められている」「現代世界のパロディである」と、著者は解説しているが、その眼でビデオを鑑賞すると、映画の面白さもいっそう深くなった。

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黒澤明と三船敏郎という「黄金コンビの最後の作品となった」『赤ひげ』は、著者の言うとおり「人間愛の集大成」であるが、「師弟愛の物語」として観た記憶はなかったことを恥じたい。

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なお、村田喜代子『鍋の中』を原作とする『八月の狂詩曲(ラプソディー)』は、現代作家の作品を原作にしたという意味では珍しい作品だけに、願わくばもう少し論及して欲しかった。

Lost In FilmさんによるXでのポスト

 
 
Lost In Film
⁦‪@LostInFilm‬⁩
Jean-Luc Godard, John Milius, & Werner Herzog visiting Akira Kurosawa. pic.x.com/ksq1beVseB
 
2025/09/06 6:10
 
 

【三つ首塔 片岡千恵蔵版】初代金田一耕助ではどのように映像化されたのか?!【横溝正史】

2025年9月4日木曜日

Ain’t Talkin’ | The Official Bob Dylan Site

Ain't Talkin' | The Official Bob Dylan Site

話さない

執筆者:ボブ・ディラン
今夜、神秘的な庭に出て行ったとき
傷ついた花はつるからぶら下がっていた
私はクールでクリスタルの噴水を通り過ぎていました
誰かが私を後ろから殴った

話していない、ただ歩いているだけだ
この疲れた悲惨な世界を通して
胸が燃えている、まだ恋しがっている
地球上の誰も知らないでしょう

彼らは祈りが助けになる力を持っていると言います
だから私のために祈ってください、お母さん
人間の心には悪霊が宿ることができる
私は隣人を愛し、他の人に良いことをしようとしています
しかし、ああ、お母さん、物事はうまくいっていません

話していない、ただ歩いているだけだ
あなたが渡る前に、私はその橋を燃やします
胸が燃えている、まだ恋しがっている
あなたが一度負けたら、彼らはあなたに慈悲を与えません

今、私はすべて疲れ果てています。
私の目は涙でいっぱいで、私の唇は乾いています
対戦相手が寝ているのを見つけたら
私は彼らが横たわっている場所で彼らを虐殺するだけです

話していない、ただ歩いているだけだ
神秘的で曖昧な世界を通して
胸が燃えている、まだ恋しがっている
疫病の都市を歩く

全世界は憶測で満たされている
人々が言う広い世界全体が丸い
彼らはあなたの心を熟考から引き離すでしょう
あなたが落ち込んでいるとき、彼らはあなたの不幸に飛びつくでしょう

話していない、ただ歩いているだけだ
豚の目の町で豚の目のグリースを食べる
胸が燃えている、まだ恋しがっている
いつかあなたは私がそばにいてくれることを喜ぶでしょう

彼らは富と力であなたを粉砕します
起きているすべての瞬間、あなたはひび割れることができます
最後の1時間余分に最大にします
私は父の死の復讐をしてから、一歩後退します

話していない、ただ歩いているだけだ
私の散歩のケタンを手渡してください
胸が燃えている、まだ恋しがっている
あなたを私の惨めな脳から追い出さなければなりません

忠実で愛しき仲間たちよ

彼らは俺を認め 俺の信条を分かち合う

長く忘れ去られた信仰を実践する

この長く寂しい道に 祭壇などない


語らず ただ歩くだけ

騾馬は病み 馬は盲目

胸は燃え なおも渇望する

置き去りにしたあの娘のことを思う


空は明るく、車輪は飛んでいます
名声と名誉は決して消えないようです
火は消えたが、光は決して消えない
誰が私が天の援助を得ることができないと言ったのですか?

話していない、ただ歩いているだけだ
死者の盾を運ぶ
胸が燃えている、まだ恋しがっている
かかとに歯が痛くて歩く

苦しみは終わりがない
隅々まで涙がある
私は遊んでいません、ふりをしていません
私は余計な恐れを抱いていません

話していない、ただ歩いているだけだ
先日の夜からずっと歩いている
胸が燃えている、まだ恋しがっている
視界から外れるまで歩く

神秘的な庭を歩き出たとき
暑い夏の日、暑い夏の芝生
すみません、奥様、失礼します
ここには誰もいません、庭師は行ってしまった

話していない、ただ歩いているだけだ
曲がり角を曲がった道を上る
胸が燃えている、まだ恋しがっている
最後のアウトバックで、世界の果てで


https://www.bobdylan.com/songs/aint-talkin/

Ain't Talkin'

As I walked out tonight in the mystic garden
The wounded flowers were dangling from the vines
I was passing by yon cool and crystal fountain
Someone hit me from behind

Ain't talkin', just walkin'
Through this weary world of woe
Heart burnin', still yearnin'
No one on earth would ever know

They say prayer has the power to help
So pray for me mother
In the human heart an evil spirit can dwell
I'm trying to love my neighbor and do good unto others
But oh, mother, things ain't going well

Ain't talkin', just walkin'
I'll burn that bridge before you can cross
Heart burnin', still yearnin'
They'll be no mercy for you once you've lost

Now I'm all worn down by weepin'
My eyes are filled with tears, my lips are dry
If I catch my opponents ever sleepin'
I'll just slaughter them where they lie

Ain't talkin', just walkin'
Through a world mysterious and vague
Heart burnin', still yearnin'
Walking through the cities of the plague

The whole world is filled with speculation
The whole wide world which people say is round
They will tear your mind away from contemplation
They will jump on your misfortune when you're down

Ain't talkin', just walkin'
Eatin' hog-eyed grease in hog-eyed town
Heart burnin', still yearnin'
Someday you'll be glad to have me around

They will crush you with wealth and power
Every waking moment you could crack
I'll make the most of one last extra hour
I'll avenge my father's death then I'll step back

Ain't talkin', just walkin'
Hand me down my walkin' cane
Heart burnin', still yearnin'
Got to get you out of my miserable brain


All o' my loyal and much-loved companions
They approve of me and share my code
I practice a faith that's been long abandoned
Ain't no altars on this long and lonesome road

Ain't talkin', just a'walkin'
My mule is sick, my horse is blind
Heart burnin', still yearnin'
Thinkin' ‘bout that gal I left behind

It's bright in the heavens and the wheels are flying
Fame and honor never seem to fade
The fire's gone out but the light is never dying
Who says I can't get heavenly aid?

Ain't talkin', just walkin'
Carrying a dead man's shield
Heart burnin', still yearnin'
Walkin' with a toothache in my heel

The suffering is unending
Every nook and cranny has its tears
I'm not playing, I'm not pretending
I'm not nursing any superfluous fears

Ain't talkin', just walkin'
Walkin' ever since the other night
Heart burnin', still yearnin'
Walkin' 'til I'm clean out of sight

As I walked out in the mystic garden
On a hot summer day, hot summer lawn
Excuse me, ma'am, I beg your pardon
There's no one here, the gardener is gone

Ain't talkin', just walkin'
Up the road around the bend
Heart burnin', still yearnin'
In the last outback, at the world's end

Copyright © 2006 by Special Rider Music

Workingman’s Blues #2 | The Official Bob Dylan Site

Workingman's Blues #2 | The Official Bob Dylan Site

ワーキングマンズブルース#2

執筆者:ボブ・ディラン
町に夕暮らしな霞が沈む
小川の端の星空
プロレタリアートの購買力は下がった
お金は浅く弱くなっている
私が一番好きな場所は甘い思い出です
それは私たちが踏み出した新しい道です
彼らは低賃金が現実だと言います
海外で競争したいなら

私の残酷な武器は棚に戻されました
来て、私の膝の上に座ってください
あなたは私よりも私にとって大切な人です
あなた自身が見ることができるように
スチールレールのハムを聞いています
両目をきつく閉じた
私はただ空腹を抑えようとしているだけです
私の腸に忍び寄る

一番下で会いましょう、遅れないでください
ブーツと靴を持ってきてください
あなたは後ろにぶら下がるか、最前線で最善を尽くすことができます
これらの労働者のブルースを少し歌ってください

私は長い航海の準備をして背中を航海しています
すべてを置き去りにする
ここにいたら、すべてを失う
盗賊は私を盲目に奪うだろう
私は思考で自分の魂を養おうとしています
残りの日は寝るつもりです
時々、誰もあなたが持っているものを欲しがらない
時々あなたはそれを手放すことができません

今朝目が覚めて、足が飛び上がった
気まぐれで町に入った
通りで父を見た
少なくとも彼だったと思います
暗闇の中で、夜鳥の鳴き声が聞こえる
丘は険しく急です
私はホールに足を踏み入れたキッチンで寝ています
もし私があなたに私の話を全部話したら、あなたは泣くでしょう

一番下で会いましょう、遅れないでください
ブーツと靴を持ってきてください
あなたは後ろにぶら下がるか、最前線で最善を尽くすことができます
これらの労働者のブルースを少し歌ってください

彼らは私の納屋を燃やし、私の馬を盗んだ
私は一銭も貯められない
道のりは長いし、無理やりやりたくない
継続的な犯罪の生活へ
太陽が沈んでいくのが自分でわかります
深い青い海の岸の上
教えてください、私の考えは間違っていますか
あなたが私のことを忘れてしまったこと

今、彼らは心配し、急いで、大騒ぎし、心配しています
彼らはあなたの夜と日を無駄にします
彼ら、私は忘れます
あなた、私はいつも覚えています
寒い黒い夜で、真夏の前夜です
そして星がぐるぐる回っている
私はまだそれがとても信じがたいと感じています
私が落ち込んでいるときに誰かが私を蹴るだろう

一番下で会いましょう、遅れないでください
ブーツと靴を持ってきてください
あなたは後ろにぶら下がるか、最前線で最善を尽くすことができます
これらの労働者のブルースを少し歌ってください

一ヶ月か二ヶ月で家に帰ります
つるに霜が降りかかったとき
槍を突き刺す
背骨の半分まで
星空に腕を上げます
そして逃亡者の祈りを祈る
明日は太陽が昇ると思います
最終判断が公正であることを願っています

丘の上の戦いは終わった
そして霧が近づいています
私を見て、私のすべての戦利品で
私は何に勝ったことがありますか?
真新しいスーツと真新しい妻が必要です
私は米と豆で生きていられます
人生で一日も働いたことがない人もいます
彼らは仕事の意味さえ知らない

一番下で会いましょう、遅れないでください
ブーツと靴を持ってきてください
あなたは前線で後ろにぶら下がるか、最善を尽くすことができます。これらの労働者のブルースを少し歌ってください。


https://x.com/nightly_moth/status/1963606868535775464?s=61

https://www.bobdylan.com/songs/workingmans-blues-2/

Workingman's Blues #2

There's an evening's haze settling over the town
Starlight by the edge of the creek
The buying power of the proletariat's gone down
Money's getting shallow and weak
The place I love best is a sweet memory
It's a new path that we trod
They say low wages are a reality
If we want to compete abroad

My cruel weapons been laid back on the shelf
Come and sit down on my knee
You are dearer to me than myself
As you yourself can see
I'm listening to the steel rails hum
Got both eyes tight shut
I'm just trying to keep the hunger from
Creepin' its way into my gut

Meet me at the bottom, don't lag behind
Bring me my boots and shoes
You can hang back or fight your best on the front line
Sing a little bit of these workingman's blues

I'm sailing on back getting ready for the long haul
Leaving everything behind
If I stay here I'll lose it all
The bandits will rob me blind
I'm trying to feed my soul with thought
Gonna sleep off the rest of the day
Sometimes nobody wants what you got
Sometimes you can't give it away

I woke up this morning and sprang to my feet
Went into town on a whim
I saw my father there in the street
At least I think it was him
In the dark I hear the night birds call
The hills are rugged and steep
I sleep in the kitchen with my feet in the hall
If I told you my whole story you'd weep

Meet me at the bottom, don't lag behind
Bring me my boots and shoes
You can hang back or fight your best on the front line
Sing a little bit of these workingman's blues

They burned my barn and they stole my horse
I can't save a dime
It's a long way down and I don't want to be forced
Into a life of continual crime
I can see for myself that the sun is sinking
O'er the banks of the deep blue sea
Tell me, am I wrong in thinking
That you have forgotten me

Now they worry and they hurry and they fuss and they fret
They waste your nights and days
Them, I will forget
You, I'll remember always
It's a cold black night and it's midsummer's eve
And the stars are spinning around
I still find it so hard to believe
That someone would kick me when I'm down

Meet me at the bottom, don't lag behind
Bring me my boots and shoes
You can hang back or fight your best on the front line
Sing a little bit of these workingman's blues

I'll be back home in a month or two
When the frost is on the vine
I'll punch my spear right straight through
Half-ways down your spine
I'll lift up my arms to the starry skies
And pray the fugitive's prayer
I'm guessing tomorrow the sun will rise
I hope the final judgment's fair

The battle is over up in the hills
And the mist is closing in
Look at me, with all of my spoils
What did I ever win?
Gotta brand new suit and a brand new wife
I can live on rice and beans
Some people never worked a day in their life
They don't know what work even means

Meet me at the bottom, don't lag behind
Bring me my boots and shoes
You can hang back or fight your best on the front line Sing a little bit of these workingman's blues

Copyright © 2006 Special Rider Music

フラウがアムロと別れた本当の理由 ~フラウ・ボゥ誕生秘話~

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