『源氏物語』(武智鉄二監督)
『源氏物語』
1966年日本映画 111分
脚本・監督・製作:武智鉄二
製作:駒崎秋夫、長島豊次郎 考証:猪熊兼繁
撮影:渡辺静郎、高岩震 照明:海野義雄
音楽:芝祐久 美術:大森実 編集:金子半三郎
助監督:前田有行、黒川文男、福岡ゆたか、荒木延子
効果:栗原嘉男 タイトル:長倉しげる
記録:鈴木寿実子 スチール:長谷川元吉
製作進行:太田喜十郎 顔師:境野敏彦
衣裳:松竹衣裳 小道具:藤浪小道具
かつら:田島かつら店、八木かつら店
床山:宇佐美豊次、高柳大助、木村喜右衛門
装置:古宮源蔵 特機:安本映材
録音:アオイ・スタジオ 現像:東京現像所
技術監督:芥川和敏
出演:
花ノ本寿(光源氏)
浅丘ルリ子(紫の上)
芦川いづみ(藤壺女御)
川口秀子(六条御息所)
和田浩治(頭中将)、中村孝雄(柏木衛門督)、花川蝶十郎(桐壺帝)、茂山千之丞(惟光)、勝見章(朱雀帝)、茂山七五三(明石入道)、北条きく子(夕顔)、山本陽子(明石女御)、紅千登世(軒端萩)、千歌子(女三の宮)、川口小枝(明石の上)、香月美奈子(葵の上)、八代真矢子(朧月夜)、松井康子(空蝉)、吉川満子(尼君)、月まち子(王命婦)、鳳玲子(勅負命婦)、橋本好子(若紫)、西崎みどり(大和撫子)、川口牡丹(中将)、坂東梢(小侍従)、紫緋紗子(右近)、山口真代(式部)、加賀屋あつ子(衛門)、市川市十郎(横河僧正)、志摩靖彦(左馬頭)、吉田道紀(藤式部丞)、岩井真三(光源氏の長男・夕霧)、堀越丈司(庭番)、川口元二(少年時代の光源氏)、茂山あきら(冷泉帝)、山吉鴻作(右大臣)、竹田法一(聖)、西川喜之輔(紀伊守)、茂山正義(随身)、中沢しげる(蔵人)、稲田良平(殿上人)、表淳夫(同)、岡村嘉隆(同)、扇崎蝶女(斉宮)、花柳静井(花散里)、花ノ本以知子(朝顔の君)、川口秀麗(末摘花)、阿美本昌子(玉鬘)、古池敬子(犬君)、別府晴子(乳母)、大宮寿美(中納言)、江守竹美(中務)、明日待子(巫女)
STORY
冷泉帝の擁立に伴って太政天皇となった光源氏は、朱雀院の第三皇女三の宮を妻に迎えたが、やがて生まれた子は、三の宮と親友・頭中将の息子・柏木の間に生まれた子供であった。源氏は子供を抱きながら、若い頃の過ちに思いを馳せる。少年の頃、父・桐壺帝の後妻・藤壺に亡き母の面影を求める源氏は、葵の上という正妻がありながら、伊予介の妻・空蝉、その娘・軒端萩、年上の六条御息所、遊女宿の女・夕顔と次々に女性たちと逢瀬を重ねていた。それでも義母への愛を断ちがたく王命婦の手引きで藤壺の寝所に忍びこんだ源氏は一夜をともにする。やがて藤壺は源氏の子供を産むが、表向きは桐壺帝の子として育てられた。一方、恨み深い六条御息所は、生霊となって夕顔を呪い殺し、葵祭で牛車に乗っていたときに恥をかかされた恨みから出産で苦しむ葵の上にも取り憑く。葵の上を失った源氏は、藤壺の姪・紫の上を理想の女性として育てていく。やがて桐壺上皇が世を去り、六条御息所と藤壺が髪を断って世を捨てる。悲しみを紛らわそうとする源氏は朱雀帝の妻である朧月夜の部屋へと忍び込むが、朱雀帝に見つかって逆鱗に触れ、須磨へ流されることになる。須磨で流人の生活を送る源氏は、明石入道の娘・明石の上と寂しさを紛らわせる。
《美の改革者 武智鉄二全集》上映作品。
お目当てはもちろん我らが芦川いづみさん。
武智鉄二監督のことだから、一体どんなことをやらされているんだろうと少々不安(と期待。笑)もあったが、そこはさすがに日活映画だけあっていたってまともな『源氏物語』となっていた。
いづみさんは源氏の義母にして永遠のマドンナである藤壺なのだが、いわゆる引き眉を施したメイクは正直言ってあまり似合っていなかった(爆)。
まぁそれでもいづみさんが義母なら私も道ならぬ恋に落ちてしまいたい(笑)。
ストーリーとしてはお馴染みなので(といっても『あさきゆめみし』経由だけど)改めていい復習になったという感じ。
それでも最初に妻が不義をして産んだ子を抱き、自らの若き日の過ちに思いを馳せるという構成はうまい。
劇中、太政天皇になった源氏の女性遍歴を持ち出して「それぐらいでなければ政治家は務まりませんな」と言ってみたり、伊予介の家へ向かう途中で平民たちの姿を見た源氏が「彼らの願いを聞き入れてやるのもいい政治家というものでしょうね」と言ったり、やたら「政治家」という言葉が出てきたのは当時の政府に対する皮肉だろうか。ってそもそも平安時代に「政治家」なんて言葉はあったのかな。
あと、最後に出てくる明石入道、かなりナイスキャラだったのだけど、役者が分からない。横河僧正というのがソレなんだろうか(【追記】クレジットにて茂山七五三さんと確認)。
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