https://youtu.be/YEyS2ApVm8g?si=LCyfIUyC2VXwpveV
『影武者』を撮影担当するはずだった宮川一夫と黒澤明は二人とも職業病的に眼を悪くしていた。ただしそれはお互いに補完し合うタイプの目の悪さだった。
宮川一夫は黒をよく出せたし、黒澤明は明るい色をよく出せた。
『影武者』の色彩設計は宮川一夫の貢献で指摘されたように全てのシーンで黒がよく出ている。
『乱』は全体的に明るすぎるのだが、最終盤の黒い旗に覆われる一の城炎上シーンはそれまでが明るい分効果的だ。黒澤明の計算通りなのだろう。
『乱』は武満徹の繊細な音楽と黒澤明好みの大胆な太鼓の重低音がうまくブレンドされている。世界感覚というものがぶつかり合ってうまくいっている。
要するに複数の天才同士が力を補い合って傑作が生まれるということだ。
『影武者』以上に『乱』はよく出来た傑作映画という枠を超えて人類史上の至宝と言うべきものなのだが、これを理解してもらうには時間がかかるだろう。100年後か1000年後か…
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