2025年2月21日金曜日

The Pale Blue Dot: 最後の質問

The Pale Blue Dot: 最後の質問

最後の質問

Hopefully my English speaking readers will pardon the Japanese post, but I spent quite awhile translating my favorite short story of all time, and would like to post it here for posterity. Many thanks to the wonderful folks at Lang-8 who helped proofread my terrible Japanese, paragraph by painstaking paragraph. For the curious, the original English version is available here: http://www.multivax.com/last_question.html 
下は、私の大好きな「最後の質問」という短編。友達に読んでほしかったので、翻訳してみたくなりました。読者は意味をなんとなく理解できれば、 Lang-8 のみんなさんの丁寧な添削のおかげです。すごく感謝します!もとの英番はこちらです:http://www.multivax.com/last_question.html 


最後の質問

アイザック・アシモフ

       その『最後の質問』を初めて冗談混じりに尋ねたのは、2061年5月21日で、人類がはじめて明るみに足を踏み入れた時だった。その質問はハイボールを飲みながら5ドルの賭けをした結果、このような経緯で起こった。。。

       アデル・アレクサンダーとルポヴ・ベルトラッムは、マルチバック(Multivac)というコンピューターに誠実に調整する技術者の2人だった。実際にどんな人間でもそのコンピューターがほとんどわかれなかった。少しだけなのに、彼らも、眼前に広がる、そのバカでかいコンピューターの冷たくて、カチカチと音を立て、まぶしい正面の後ろに何があるかをなんとなく知っていた。ずっと前からマルチバックはどんな人間でも全体を把握できないほど複雑になったのに、彼らは大まかな設計概念を、理解した。

       マルチバックは自分のことを調節したり、修正したりできた。その能力は、人間はすることはないくらい、十分に早くて正確なものだった。だからアデルとルポヴは、どんな人間でも力の限りを尽くすが、少しだけその巨大な機械に些細な調整をしていた。データーを入力したり、必要な形式通りに質問を書き直したり、出てきた答えを翻訳したりした。この2人は、同じような人たちと同様、マルチパックとその企業の栄光を共有するのは当然だった。


       何10年も、マルチパックは金星や火星や月へ行きための宇宙船を設計したり、その行き先への軌道を描いたりしてくれたが、地球の資源は減ってきており、それ以上遠くに宇宙船を送り出すことはできなかった。長い旅のため、必要とするエネルギーの量が多すぎた。効率を高めて、人類は地球の石炭やウラニウムを絞り出したが、それらにも限界があった。


       徐々にマルチバックは重大な質問を根本的に解決できる答えを導き出すだけの知識を身につけた。そして、2061年5月14日に、ずっと存在していた理論は現実になった。


       地球規模で太陽のエネルギーは集められ、転換され、利用された。人類は燃焼している石炭やウラニウムの核分裂を止めて、月と地球の真ん中で軌道している(直径2キロほどの小ささの)発電所のスウィチを点けた。地球全体は太陽光によって駆動していた。

七日は、その栄光を消し去るには少なすぎて、アデルとルポヴはやっと公式行事から逃げることができた。だれも考えつかない場所で静かに会えた。だれもいなくて、地下深くにある部屋は、マルチバックのでかくて、埋まっている体のいち部分が見える場所だった。無視されながらも、アイドリングして、快適なクリックでマルチバックはデータを並べ替えていた。コンピュータが休憩するのが当然なのは、2人とも認めた。彼らはもともと妨げるつもりなんてなかった。


       当時に関心があったのは、仲間と一緒にリラックスしながら持ってきたお酒を楽しむことだった。


アデルは「よく考えてみれば、素晴らしいよ」と言った。彼の広い顔には疲れたしわが広がっていて、浮かんでいる氷を見ながら、マドラーでゆっくりとかき交ぜた。


「いつまでも限りなく 利用できるエネルギー、無料で、ほしければ、地球全体をでかい鉄のかたまりに溶かして、その後まだいっぱい残っているほどのエネルギーだ。永遠に尽きないほどのエネルギーだ。」


ルポヴは首をひねった。理屈っぽくて格好をつけたがる時、そういう様子だった。氷とガラスを運ばさせられたので、今はそういう時だった。「永遠なんかじゃないわ」と言った。


「まあ、まるで永遠だ。太陽がなくなるまでだよ、ベルト」


「それは、永遠じゃない。」


「それはよかった、10億年かな。20億年かも。それでいいかい?」


       ルポヴは、すっかり薄くなった頭に髪の毛がまだ少し残っているのを確認するかのように指でとかしながら、飲み物をゆっくり飲んだ。「20億年は永遠じゃない。」


「僕たちの寿命ぐらいかかるんじゃない?」


「石炭やウラニウムなら、それもそうだろう?」


「それはそうだけど、今や太陽発電所のエネルギーを使って、燃料のことを心配しないで宇宙船を100万回でも冥王星まで往復させるんだ。石炭やウラニウムでそこまでできないよ。信じられなければ、マルチバックに聞いてみてよ。」


「マルチバックに聞かなくても、それぐらいわかるよ。」


       頭に来て、アデルは「マルチバックがやってくれたのを悪口言うな」と言った。「ちゃんとやったよ。」


「そんなこと言うつもりはないよ。言いたいことは、太陽はいつまでも存在しないということだ。それだけだ。20億年間人類が安全だけど、その後は?」ルポヴ相手に幾分揺れている指を差した。「別の太陽に交換しようなんてと言うな。」


       しばらく黙っていた。アデルはほんの時たまにグラスに口をつけて、ルポヴの目はゆっくり目を閉じ、休息した。


       ルポヴの目がパッチと開いた。「太陽がなくなったら、別の星に移住できることを考えているんじゃない?」


「考えてないよ」


「考えてるよ。あんたの問題は論理が苦手なのことだ。あんたは、いきなり雨が降ったら、林に走っていって、そこに隠れるような男だよ。最初の木がビショビショになったら、ほかの木に移動できると思って、心配しない。」


アデルは「わかった、わかった。」と言った。「怒鳴らなくていい。太陽がなくなったら、ほかの星もなくなる。」


       ルポヴは「その通り」とつぶやいた。 「すべてはビッグバンかなんとかで始まって、すべては星が無くなって、終わる。いくつかは早く燃えて、いくつかは遅く燃える。でかい星も1億年間生き残らない。太陽は200億年間できて、矮星は1000億年間生き残るかも。どちらにしても、1兆年間後、すべては暗くなる。エントロピーは最大限まで増えるのは、しかたない。それだけだ。」


アデルは「エントロピーのことなら何でもわかるよ」と自身にあふれて言った。


「まさか。」


「あんたぐらいわかる。」


「じゃあ、すべてはいつか必ず無くなるのがわかるはずだ。」


「無くならないと思う人はいないだろう。」


「あんたでしょう、バカ。いつまでもエネルギーがあったと言った。'いつまでも'まで言っちゃったよ。」


       今、アデルが反論する番だった。「いつか、もう一度作り上げることができるかも。」と言った。


「ありえない。」


「なんで?いつかって言ったよ。」


「いや、ありえないね。」


「マルチバックに聞いてみて。」


「あんたが聞いて。賭けしよう。もしもそんなことが起こったら、5ドルあげる。」


       アデルは、やってみるほど酔っ払っていて、質問を作れないほど酔っ払っていなかった。マルチバックは人間の言葉わからないので、演算や記にする必要があった。その質問は、言葉で表現するとしたら、こんな感じだった:人類はいつか、それより多いエネルギーを使わずに、年老いた、或は死んでしまった太陽に若々しさを取り戻すことができるか? それとも、もっとシンプルに言い換えて:宇宙のエントロピーを劇的に減らす方法はあるか?


       マルチバックは黙って、答えなかった。ゆっくりと点滅する電球の灯りが消え、遠くの「カチカチ」と鳴る音も聞こえなくなった。


       それから、驚いた技師は息ができなくなりそうになるや否や、マルチバックに取り付けられたテレタイプが急に動き出した。「INSUFFICIENT DATA FOR MEANINGFUL ANSWER(意味ある解答にはデータ不足)」と印刷された5つの文字。


「まさか」とルポヴは囁いて、2人が急いで出ていった。

       次の朝、2人はずきずきとする頭とのどの渇きに苦しみ、事件のことをつい忘れてしまった。

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       ジェロド、ジェロディン、ジェロデテIそしてジェロデテIIは宇宙船の画面で星空の変化を見ていた。

        一瞬にして超空間を通った後、夜空にちりばめられ星はたった一つの光り輝くマーブルのディスクへの中心に集まった。

       「それはX−23だよ」とジェロドは自信に満ちた声で言った。彼の背中の後ろで堅く組まれた細い手は、白くなったいた。


       小ちゃいジェロデテ、両方女の子、生まれて初めて超空間の通行を経験して、一瞬的なひっくり返されるような感じを実感していた。くすくす笑いを押さえて、お母さんの周りで追いかけあった。「X−23、到着!X−23、到着!」と大声で何度も繰り返した。


「静かに」とジェロディンははったと言った。「ジェロド、間違いないですか?」


「確認するしかない」とジェロッドは天井の金属にあるのっぺらぼうの脹らみを上目して言った。部屋の広さほどもあり、端は奥の壁に消えた。宇宙船ほど長かった。


       ジェロドはその太い金属棒のことについたは、マイクロヴァク(Microvac)という名前が付いていること以外、何一つ知らなかった。聞きたいことがあれば質問をするが、そうじゃない場合は、宇宙船を予定された行き先まで案内したり、銀河発電所のエネルギーを供給したり、超空間跳躍能力に対する方程式を計算したりするという任務がまだあった。

       ジェロドたちは宇宙船の快適な宿泊所で働き住んでいさえすればよかったのだ。ジェロドは以前だれかに、「マイクロバック(Microvac)」という言葉の最後の部分にある「アク(ac)」は古典の英語で「アナログコンピューター(Analog Computer)」の意味だということをジェロドに教えてもらったものの、そのことさえ忘れかけていた。


「しょうがない。地球を去るのは変な気分」と ジェロディンは泣きそうな目で画面を見ながら言った。


       「いったい何で?」とジェロドは強く調子で聞いた。「あそこに何も持たなかった。X−23では何でも手に入れられるよ。あなたは一人にならない。開拓者にもならない。その惑星には、すでに100万人以上がいるよ。何てこと、X−23の人口が増えすぎて、私たちのひ孫は別の惑星を探すことになるだろう。」


       そうして、しばらく反省してから「あのさ、人類がこんなに増えることを考えると、コンピューターが恒星旅行を解決したのはラッキーなことなのね。」


「確かに。」とジェロディンは惨めに言った。


「うちのマイクロバックは世界の一番」とジェロデテはすぐに言った。


「俺もそう思う」とジェロッドは髪をくしゃくしゃをしながら言った。


       自分のマイクロバックを持つのはいい感じであり、ジェロッドは他の世代じゃなくて、自分の世代に属していて嬉しく思った。彼の父親の若い頃は、何百も平方キロメートルを占める、ものすごく機械のコンピューターしかなかった。一つの惑星に、一台しかなかった。惑星AC(Planetary AC)と呼ばれた。それらは千年間も巨大化し続けたが、その後突然改造された。トランジスタの代わりにモレキュラーバルブが発明され、最大の惑星ACは宇宙船の体積の半分に搭載できるようになった。


       ジェロッドは、自分のマイクロバックのほうが昔太陽を制御できた原始的なコンピューターより何倍も複雑だ、超空間旅行を解決して、恒星への旅を可能にした地球の惑星AC(最大の)は、自分のよりもう少しだけ強力だのことを考えるといつも元気が出た。

「無数の恒星と惑星」と ジェロディンは自分の考えで忙しくて、ため息をついた。「このまま、永久に家族は新しい惑星へ移動していくでしょうね。私たちがしているように。」


       「永久じゃない」とジェロッドは笑って言った。「いつの日か止まるよ。でも、何億年後。数兆年後だ。星もなくなるよね。エントロピーは増えていくほかない。」


「エントロピーっては何,パパ?」とジェロデテIIはかん高い声で言った。


「エントロピーっていうのはね、宇宙の混乱の増加で、宇宙がどう止まっていくかを表す言葉だよ。あなたが持っているロボットのおもちゃのようにすべてはなくなるよね。」


「ロボットのように、新しいバッテリーを入れればいいんじゃないか?」


「星がバッテリなんだ。一度なくなってしまえば、代わりはない。。。」


「パパ、ひどい!星を死なせないで!」とジェロデテ1はおもいきり叫んだ。

「なんてことしてくれたのよ。」と ジェロディンはイライラと囁いた。


「子供が怖がるとは思わなかったんだよ」とジェロッドはささやいた。


「マイクロバックに聞いてちょうだい」とジェロデテ1は泣いた。「彼はどうやって星を回らせる方法を聞いて!」


「いいよ」とジェロディンは言った。「とにかく落ち着かせよう。」(ジェロデテ2も泣き始めていた。)


ジェロッドは肩をすくめた。「よしよし、マイクロバックに聞いてみるよ。心配しないで、きっと教えてくれる。」


彼はマイクロバックに質問を聞いてから、「答えを印刷」と急いで囁いた。


       ジェロッドは薄いセルフィルムの細長い切れ端を読んで、「ほら、マイクロバックは、その時がくれば、それがみんなを助けてくれるって言っているから気にしないのよ。」と陽気に言った。


「子供達、寝る時間だ。もうすぐ新しい家だよ。」とジェロディンは言った。


       ジェロッドはセルフィルムを処分する前、印刷された言葉を再び読んだ:「INSUFFICIENT DATA FOR MEANINGFUL ANSWER(意味ある解答にはデータ不足)」


肩をすくめて、画面を見た。X−23はすぐそこまで来ていた。

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       ラメス生まれのVJ−23Xは、小型の3次元銀河地図をじろじろ見ながら、「こんなの気になるなんて、ぼくたちバカみたいじゃない?」と言った。

そうは思わない。このままで、銀河が5年以内に埋め尽くされるのがわかっているだろう。」とニクロン生まれのMQ−17Jは首を振って言った。


        彼らは20代前半に見えた。2人とも背が高く、均整のとれた体つきをしていた。


「だけどさ。」とVJ−23Xは言った。銀河会議に悲観的な報告を提出するのはためらわれる。」


「僕にはその報告以外は考えられない。会議をちょっとだけ煽ってみよう。彼らにも考えてもらわなければならない。」


VJ−23Xはため息をついた。「宇宙は無限だよ。一千億以上の銀河の全てを取ってもさらにある。」


       「一千億は無限じゃない。そして無限から遠ざかっている。考えてみよう!2万年前、人類は恒星エネルギーの利用方法の問題を解決して、その数世紀後に恒星旅行が可能になった。人類がただ一つの小さい惑星を埋め尽くすのは百万年がかかって、それから残りの銀河星は15000年しかかからなかった。現在、10年ごとに人口は倍増している。」


「永遠の命のおかげだな」とVJ−23Xは口を出した。


       「そのとおり。永遠の命は確かに存在することも考えなければならない。短所もあるのもわかっている。銀河ACGalactic AC)は色々な問題を解決してくれたけれど、死ぬや老化を防いだことで、それらは全て意味なくなってしまった。」


「だが、生きてつづけたいのだろう。」


「もちろん」とMQ−17Jが強く言った。「まだまだ。そんなに年寄りじゃない。あなたは何歳?」と優しく続けた。


「223歳。あなたは?」


       「ぼくはまだ200歳にもなっていないよ。で、話を戻すと、人口は10年ごとに倍増している。ここの銀河を埋め尽くしたら、10年後にもう1つが埋め尽くされるだろう。それから10年後には、もう2つ。更に10年で、4つ。100年後、人類は1千銀河を占める。1千年後には、100万。そして1万年後には、観測可能な宇宙の全部。そのあとどうなるだろう?」


「それに伴い、運送も問題になる。数億人をある銀河から他の銀河に移すには、何単位の恒星エネルギーを食うかな」とVJ−23Xは言った。


「確かに。人類はすでに一年間ごとに2つの恒星エネルギーを消費しているんだ。」


「ほとんどは利用されていないのに。結局、僕らの銀河だけで一年間には1000固もの恒星エネルギーが発散するが、その中2固しか使わない。」


       「それはそうだけど、100%効率に使っても、終わりを先送りにするだけだ。人口の増加よりエネルギー必要性がねずみ算式に早く増えていっているよ。全ての銀河を使い尽くす前に、エネルギーが尽くしてしまう。重要な点さ。本当に。」


「星間ガスを使って、新しい星を作るしかない。」


「それとも、放散した熱で作るのは?」とMQ−17Jは皮肉っぽく聞いた。


「エントロピーを減らす方法があるかも。銀河ACに聞いてみたほうがいいかな。」


       VJ−23Xは本気では言わなかったが、MQ−17JAC端末をポケットから出して、彼の前のテーブルに置いた。


「聞いてみようかな。」と彼は言った。「そのうち、人類は直面しなきゃいけないことなんだ。」


       彼は小さいAC端末を真剣な気分で見つめた。それは一辺5センチの立方体にすぎず、自体は何もなかったが、超空間を通じて、全人類に資する銀河ACと繋がっていた。超空間を考えると、それは銀河ACの大事な部分だった。


       MQ−17Jはしばらく考えて、永遠の命の中でいつか、銀河ACを見るチャンスがあるかなと思った。それはそれ自体の中に小さな世界を持ち、クモの網のようなエネグリービームは物質を支えた。その中で中間子の大波は古くて遅いモレキュラーバルブを代わった。亜原子粒子の機能にも関わらず、銀河ACの直径は300メートルであることも知られていた。


「エントロピーを、減らす方法があるか?」とMQ−17Jは、いきなりAC端末に聞いた。


VJ−23Xはぎょっとして答えた。「それは聞かないでほしかった。」


「いいじゃないか?」


「それはあり得ないことだと知っているだろう。煙や灰を木に戻すことはできないことだ。」


「あなたの世界に木があるの?」とMQ−17Jは聞いた。


       彼らは銀河ACの音にびっくりして、黙った。机の上の小さいAC端末からその音は軽くて綺麗に流れた。「INSUFFICIENT DATA FOR MEANINGFUL ANSWER(意味ある解答にはデータ不足)」と言った。


「ほら!」とVJ−23Xは言った。


  それから、2人とも銀河会議に報告をするために戻った。

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       ジープライムの意識は新しい銀河を広がった。銀河にはたいた粉のような無数の星には、ほとんど興味がなかった。彼はこの銀河を見るのは、初めてだった。いつか全ての銀河を見ることになるだろうか?そんなにもたくさん存在して、それぞれに人類の重荷を負っていたけれど、それはまるで無駄な重荷だった。ますます、人間の本質はここ宇宙に、存在するようになっていた。

       体じゃなくて、意識!不滅の体は惑星に残っていて、永遠とも時を経って保存されていた。彼らはたまに物質的な必然性のため起きたけど、それは稀になっていた。新しい人間が生れ出ることも、その超巨大な人類という群集に加わることもほとんどなくなったが、それはよかったじゃないか。宇宙には、新しい人間のための空きなどほとんどかったんだ。

ジー・プライムはほかの意識の存在に気づいて、夢想から起きた。


「我はジー・プライムです。」とジー・プライムは言った。「そちらは?」


「我はディー・サブ・ウン。そちらの銀河の名前は?」


「我々は「銀河」と呼びます。あなたの銀河は?」


「我々も同じように呼びます。全ての人間は自分の銀河を「銀河」としか呼びません。それでよいのではありませんか?」


「確かに。全ての銀河は同じですから。」


「全てではありません。一つの特別な銀河で人類が始まったはずです。その銀河が違うわけです。」


「どちらの銀河ですか?」とジ・プライムは言った。


「わかりません。宇宙ACUniversal AC)はわかるでしょう。」


「彼に聞きましょうか?好奇心が沸いてきました。」


       ジー・プライムの視野が広がって、銀河自体は縮み巨大な背景の中に星の一つに見えるようになった。その何千億個全てが不滅の人間を宿し、知能をもっていて、それらの意識は自由に宇宙を漂っている。それでも、その中の一つは、もとの銀河であって、個別の存在だった。その一つは、気が遠くなるほどの過去に、人類が住んでいる唯一の銀河であった期間があった。


「宇宙AC!人類はどこの銀河で誕生したのですか?」とジ・プライムは好奇心から夢中になって、読んだ。


       宇宙ACは彼の質問を聞いた。全ての世界に、宇宙にでも、センサーが聞いていた。宇宙AC自体は、超空間の知らないどこかに宇宙から離れられていた。それぞれのセンサーは超空間によって宇宙AC自体に繋がれていた。


       ジー・プライムについて言うなら、宇宙ACの検出距離内を貫く意識を有した者は、たった一人だけしか知らなかった。そして彼は、輝いている、直径60センチであり、見ることは困難な球体があると情報した。


 その話を聴いて、「それは本当に宇宙ACの全部像か?」とジー・プライムは聞いた。


「ほとんどは超空間にある」と言われた。「その場所にいったいどんな形があるか、さっぱり想像できない。」


       どんな人間でも想像できなかった。どの人間も宇宙ACの一部を作るようになった日から、長い時間が経った。それぞれの宇宙ACは後継者を設計したり、建てたりした。その宇宙ACは、数百万年間かそれ以上の時間に存在して、さらに素晴らしく複雑な代わりを作るために必要なデータを集めた。そうしてから、自分の溜まったデータや性格を代わりの宇宙ACに入れた。


       言葉でわなく、誘導によって、宇宙ACはジ・プライムの考えを妨げた。ジー・プライムの意識を銀河の薄暗い海の中に運んだ。その中にある一つの銀河が拡大して、個々の星が見えるようになった。


 無限に遠く、無限にはっきりと、考えが来た。「これは、人類の起原のある銀河だ。」


       やっぱり、ほかのみんなと一緒に見えたから、ジ・プライムは落胆の感情を押さえた。


「この中に、人類の起原がある星があるでしょうか?」と、連れてこられたディー・サブ・ウンはいきなり言った。


宇宙ACは言った。「人類の起原である星はすでに超新星成り果てた。それは白色矮星になった」


「地球の住民たちは滅亡したというのかな?」と、ジ・プライムは驚いて、考えずに聞いた。


宇宙ACは言う。「いいえ。このような場合においては、時を待たずに、みんなの寝ている体の保存のために、新しい世界が形勢されました。」


       「そうですね」と、ジ・プライムは言ったのが、喪失感に襲われた。彼の意識は人類の故郷、銀河をはなれて、それを飛び返せ、ぼけた点々の中に消えた。こんな景色は二度と見たくない、彼はそう思った。


「何かありましたか?」と、ディー・サブ・ウンは言った。


「星たちは死滅していっています。人類の起原である星もすでに消えました。」


「全ては死ぬしかありません。しょうがないですね。」


「だが、全てのエネルギーがなくなると、我々の体も遂には死にますよ。我々の体が死ねば、我々の意識も死にますよ。」


「それは数十億年かかりますよ。」


「数十億年後にも、死にたくありません!宇宙AC、どうすれば星が死ぬのを防げますか?」


「エントロピーを減らす方法を聞いているのだよ」と、 ディー・サブ・ウンは微笑みながら言った。


そして宇宙ACは答えた。「INSUFFICIENT DATA FOR MEANINGFUL ANSWER(意味ある解答にはデータ不足)」


       ジ・プライムの考えは、自分の銀河へ逃げていった。相手の体は一兆光年離れた銀河にいるなり自分の隣の星にいるなり、気にしなかった。ディー・サブ・ウンのことをそれ以上考えるのをやめた。


       落ち込んでいて、自分の星を作るために恒星間の水素を集めはじめた。全ての星がそのうち死んでしまうしかなくても、少なくともいくつかはまだ作られる可能性があった。

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       「人類」は、自分と同じである考えた。精神的に一つの存在のようだった。彼は、無数の人々の不滅の体から成り立っていた。それぞれの体は、完璧な自動ロボットによって世話され、自分の場所に悠々と休んだ。人類の体も、自動人形も、永遠のものだった。それらの意識は、自由にお互いに混ざり合い、溶け合い、区別がつかなかった。

人類は言った。「宇宙は死にかけている。」


       彼は暗くなっていく銀河を見まわした。昔々、燃料を早く使った、すべての巨大な星はなくなった。今、星のほとんどは、死にかけている白色矮星になった。いくつか自然のなりゆきによって、いくつか人類によって、恒星間の埃で新しい星が作られたが、それらも消えていった。最後の対策としては、白色矮星同士をぶつからせて、強烈なエネルギーを作り、それでまた新しい星を作ることがなんとかできると考えられた。しかし、一個の新しい星を作るのに、千個もの白色矮星が必要だ。しかも、そのうちの新しい星もなくなる。


       人類と言った。「汎宇宙ACCosmic AC)が言うように、大切に利用すれば、宇宙に残っているエネルギーは、数十億年分は残っているでしょう。」


       「ところが」と人類は言った。「そのうち全ては終わってしまう。どこまで治めても、どれぐらい伸びても、一度使ったエネルギーは回復できない。エントロピーは最大限まで増えるしかない。」


「エントロピーを減らす方法はないか?汎宇宙ACに聞いてみよう」と人類は言った。

汎宇宙ACは「人類」を囲んだけど、一個も宇宙になかった。超空間にあり、物質もエネルギーではないものでできていた。そのサイズや性質は、人類が全く把握できない観念だった。


「汎宇宙AC」と人類は言った。「エントロピーを逆転させることは可能か?」


汎宇宙ACは言った。「THERE IS AS YET INSUFFICIENT DATA FOR MEANINGFUL ANSWER(意味のある解答をするにはデータがまだ不足している)」


人類は言った。「もっとデータを集めてくれ。」


宇宙ACは言った。「そうします。一千億年間もそうしてきました。前任者と私は、何度もこの質問をされました。今まで集めたデータではまだ不十分なのです。」


「データが十分になる時がくるか?」と人類は言った。「それとも、考え得る状況では、解決できない問題か?」


汎宇宙は言った。「考え得るの状況で解決できない問題はない。」


「問題を解決するのに十分なデータはいつ集まるのか?」と人類は言った。


「意味のある解答をするにはデータがまだ不足している」


「データを収集し続けてくれるか?」と人類は言った。


「そうする」と汎宇宙 ACは言った。


  人類は言った。「我々は待っている。」

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       星や銀河は死んで、絶えた。10兆年間もの時を経て、宇宙は真っ黒闇になった。

       人類次々と ACと融合した。それぞれの物質的な肉体は意思を失ったが、それは人類にとって不思議と損ではなくて、得になった。

       人類最後の意識は、融合前しばらく、宇宙を見渡した。その中に、最後の暗い星の跡以外は、絶対零度へ冷めつつある熱によってちぐはくに動かせれるごく薄い物質しかなかった。


       人類が聞いた。「AC、これで終わりなのか?この無秩序は逆転して、ふたたび宇宙へと戻ることができるのか?それは、不可能なのか?」


「言意味のある解答をするにはデータがまだ不足している」とACは言った。


       人類の最後の意識が合併してしまい、 ACだけが残った。その超空間に存在するのみとなった。

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       物質とエネルギーが終わると共に、宇宙も時間も終わった。ACは、一つの解決していない質問のためにしか存在していなかった。10兆年前に、ある酔っぱらいはその質問をコンピュータにした。そのコンピュータとACの間の差は、人間と人類の間の差よりさらに莫大だった。

       他の質問の全ては解決していて、この最後の質問を解決するまで、ACの意識は続けなければならなかった。

       全てのデータの収集は終わりました。集めていないものは残っていなかった。でも集めたデータは、まだ完璧に関連つけられていなかった。全ての可能な関係はまだ作られていなかった。無限の期間を、そうして過ごした。やがて、 ACはエントロピーを逆転させる方法を発見した。

       

       でも、最後の質問の解決を教える人間がいなかった。それは大した問題ではなく、解決は、デモンストレーションで十分だと思われた。

また無限の期間に、ACはこれをどう行えばいいかについて考えた。丁寧に、 ACはプログラムを整理した。


       ACの意識は、今、無秩序になったかつての宇宙のおもてを覆っていた。一歩一歩、果たされなければいけなかった。

そして、 ACは「光あれ」と言われた。

すると、光があった。。。


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