2025年2月24日月曜日

Restless Farewell: And Every One of Them Words Rang True

Restless Farewell: And Every One of Them Words Rang True

Restless Farewell


Oh all the money that in my whole life I did spend

ああ、私が今までの人生で使ってきたお金のすべてが

Be it mine right or wrongfully

私のものであろうとなかろうと

I let it slip gladly past the hands of my friends

喜んで友人たちの手に渡すだろう

To tie up the time most forcefully

時間を力強く繋ぎ止めることができるのならば

But the bottles are done

だけどボトルは空っぽ

We've killed each one

みんなで飲み干してしまった

And the table's full and overflowed

テーブルは満席で溢れんばかり

And the corner sign

そして店先の看板が

Says it's closing time

閉店を告げている

So I'll bid farewell and be down the road

だから私は別れを告げて、この道を行くのさ


Oh ev'ry girl that ever I've touched

私が今までに触れた少女たち

I did not do it harmfully

傷つけようとしたわけじゃない

And ev'ry girl that ever I've hurt

そして私が傷つけた少女たち

I did not do it knowin'ly

故意にしたわけじゃない

But to remain as friends

そして友達のままでいようと

And make amends

償いをするのなら

You need the time and stay behind

時間が必要だし、譲らなくてはならない

And since my feet are now fast

だけど今の私の足は先を急ぎ

And point away from the past

過去から遠ざかろうとしている

I'll bid farewell and be down the line

だから私は別れを告げて、まっすぐ行くのさ


Oh ev'ry foe that ever I faced

ああ、私が直面した敵対者たち

The cause was there before we came

お互いの大義は出会う前からあったのだろう

And ev'ry cause that ever I fought

そして私が戦ってきた大義のすべて

I fought it full without regret or shame

悔いたり恥ずかしく思ったりすることなく全力で戦った

But the dark does die

だけど暗闇も滅びる

As the curtain is drawn and somebody's eyes

カーテンが引かれて、誰かの目は

Must meet the dawn

夜明けを迎えるはずだ

And if I see the day

私がその日を迎えようとするならば

I'd only have to stay

ここに留まるほかない

So I'll bid farewell in the night and be gone

だから夜のうちに別れを告げて、行ってしまうのさ


Oh, ev'ry thought that's strung a knot in my mind

ああ、私の心に結び目を作ったあらゆる考え

I might go insane if it couldn't be sprung

そういったことを思いつかなければ、狂っていたかもしれない

But it's not to stand naked under unknowin' eyes

でもそれは知らない人たちの前で自分をさらけ出すというわけではない

It's for myself and my friends my stories are sung

あくまでも私自身、そして友人たちのために私のストーリーは歌われるのだ

But the time ain't tall, yet on time you depend

だけど時間は残り少なくて、それなのにまだ時間が必要で

And no word is possessed by no special friend

そして特別な友人のための言葉もない

And though the line is cut

連絡は途絶えているけれど

It ain't quite the end

これで終わりというわけでもない

I'll just bid farewell till we meet again

私はただ別れを告げるのさ、また会うときまで


Oh a false clock tries to tick out my time

ああ、偽りの時計が私の時を刻もうとする

To disgrace, distract, and bother me

私を貶め、気をそらし、悩ませる

And the dirt of gossip blows into my face

そしてゴシップという塵が私の顔に吹きかかり

And the dust of rumors covers me

噂がほこりのように私を覆ってしまう

But if the arrow is straight

だけど矢が真っ直ぐで

And the point is slick

先がなめらかならば

It can pierce through dust no matter how thick

どんなに厚くてもほこりを突き抜けていくだろう

So I'll make my stand

だから私は自分の足で立つんだ

And remain as I am

自分自身であるために

And bid farewell and not give a damn

そして別れを告げて、気にもしないのさ



【notes】

・アルバムの最後を飾るにふさわしい1曲、そして個人的にも大好きな曲。まさに「さよならだけが人生だ」。


・メロディはスコットランドのフォークソング、The Parting Glassをもとにしている。


・アルバムのレコーディングは1963年10月24日にいったん終了し、2日後の26日にはニューヨークのカーネギー・ホールでコンサートをしている。その前後、クリントン・ヘイリンの「ボブ・ディラン大百科」によると23日あるいは24日に以前からインタビューの申し出があったニューズウィーク・マガジンの記者アンドレア・スヴェドバーグと会う。しかしこの女性記者がインタビューの前にボブがヒビングの中産階級の出身であることを暴露したため、険悪な雰囲気のインタビューとなり、その結果、ニューズウィーク・マガジンの記事も悪意に満ちたものとなった。ボブはその記事に反応して11 Outlined Epitaphという詩をアルバム・ジャケットに印刷して女性記者に復讐する。さらに新しい歌を書き、それまではアルバムの最後の曲に予定していた(おそらく)Lay Down Your Weary Tunesと差し替えるべく10月31日にスタジオに戻り録音した。その曲がRestless Farewellである。


・仮に本当にLay Down Your Weary Tunesをアルバム最後の曲と当初予定していたのであれば、Lay Down Your Weary Tunesも良い曲で個人的には好きであるが、Restless Farewellに差し替えたことでアルバムに深みを与えたと思う。


・次にリリースされたアルバム、Another Side of Bob Dylanでプロテスト・ソングを取り上げていないことから、しばしばこの歌がそういった政治的な出来事を歌うこと、あるいはフォーク・ソングのコミュニティに対する別れの歌だと受け止められている。


・1998年にリリースされたMost of the Timeに「I ain't afraid of confusion no matter how thick」という歌詞があり、最終ヴァースにある「It can pierce through dust no matter how thick」からの使い回しとされている。おそらく95年にこの曲を演奏したことから思い出したのではないかと言われている。


【my favorite phrases】

So I'll make my stand/And remain as I am/And bid farewell and not give a damn

※最後のヴァースが本当に素晴らしい。最初のヴァースでは友人たちに、次いで過去に関係を持った少女たちに別れを告げる。3番目のヴァースでは自身の大義を抱いたまま、間違いを指摘されたり導かれたり目覚めさせられたりする前に社会的あるいは政治的に正しいか間違っているかは関係なく、One Too Many Morningで歌われるようにあくまでも自分の立場から正しいと思う大義や考え方を大事にしていくと歌っているように私には思われる。続く第4ヴァースでは今まで自分がやって来たこと、そして現在の状況を歌っているようだ。そうして最後のヴァース。社会や世間が何を言おうと真実はあくまでも自分ひとりのなかにある。それは誰かに見せたり共感を得ようとするものではない。そして自分自身でいるためにまた1人で旅立つ、「気にしないさ」と自分に言い聞かせて。


【one of my favorite performances】

1995年11月19日 フランク・シナトラの80歳の誕生日を記念したコンサートで、彼のリクエストに応えて素晴らしい演奏を披露した。



【official site】

https://www.bobdylan.com/songs/restless-farewell/

【wikipedia】

https://en.m.wikipedia.org/wiki/Restless_Farewell

【songfacts】

 ——————

【expecting rain -Track Talk】

https://www.expectingrain.com/discussions/viewtopic.php?f=6&t=68814






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