1979年ビーチ・ボーイズ来日③~江の島JAPAN JAM 開催。ステージ最前列に陣取ったヤンキーたちのテンション高く、日本人近寄れません。ブライアン・ウィルソンの挙動不審な動き。
日本初めてのロックフェスティバルJAPAN JAMは1979年8月4、5日江の島(ヨットハーバー特設会場)7日京都(伏見桃山城キャッスルランド特設会場)で開催されました。色々な人がブログにアップしているし読むにつれ、記憶の破片や断片が少し具体的なものなってきそうです。とは言え、勝手に足りないところを妄想してるだけでしょね。なにせ40年前の出来事です。ライブは午前中に始まり、夜は19時までに終了。江の島住民への騒音対策で、ピアノの練習は、何時まで、と同じレベルで19時までに終了せざるをえなかったらしいです。もっとも会場に照明設備を設置する必要もなく主催側のコスト的には助かります。お陰様で、私もこのJAPAN JAMのイメージは灼熱と青空の記憶のみです。
初日終わって、我々レコード会社スタッフも遠距離のものは、その夜は、江の島の真ん前あたりの旅館かホテル?に宿泊しました。多分、雑魚寝ができる旅館の方がはるかに安上がりなので、ホテルじゃないです。むろん素泊まりです。業界関係者も大勢、江の島近辺に泊まっており、初めてのロックフェスティバルに対して皆テンション高く、お祭り騒ぎ状態でした。
アーティストの出順についても、一部諸説ありますが、どうもこういう順が正しそうです。①TKO ②ファイアフォール ③ハート ④サザン・オールスターズ そしてヘッドライナーに⑥ビーチ・ボーイズ。パナソニックのRAMSAが高音質のPAシステムをこの会場でデビューさせています。上のポスターは、このJAPAN JAMの遠景を広告にしたものです。
ステージ裏にあった楽屋は立派な建物の中に設えられてました。思えば、ここはヨットハーバーの施設だったのでしょうか。ちなみにこのバックステージに限らず、場内もそうですが、不慣れな野外会場という事もあり、会場警備とかセキュリティがゆるゆるで、楽屋にファンが紛れる込んでいるわ、会場も場内はともかくも、場外ともロープで区別しているだけなので、ティケットもたない輩も、簡単に入り込むことができました
厚木基地からだけでなく、横須賀に空母エンタープライズが入港していたらしく、大勢の米軍ヤンキーどもがバスを仕立てて押し寄せていました。そういうわけで、ブロック別と言っても、簡単なロープで仕切られただけのもの。ステージ前は米軍独占状態。こういうフェスに慣れているのか、ピクニック気分でクーラーボックスにビールをしこたま仕込んで、フェスを楽しんでいます。というより、アホどもが騒ぎにきたわけですね。
アップされている他ブログによれば、ヤンキーどもの高いテンションは、特にハートの出番にヒートアップしたとの事。フロントが美人姉妹という事も飢えた男どもを煽らせていると思いますが、私に残っている彼等の記憶は、バラクーダのイントロの格好良さのみです。
終わってサザンの出番です。ハッピ姿でこの写真のような蛇腹踊りで登場してきました。当然ですが、彼らが始まると、ヤンキーたちも静かになりました。歌は全く分かりません。大人しくステージ前から後退し、替わって日本人ファンが殺到。この時のサザンはデビューして1年ですが、この時点で既に3発シングルヒット放っていましたし、もうヘッドライナーができるほどビッグアーティストでした。
しかも、桑田の地元湘南です。当時、洋楽オンリーの私でしたが、サザンはキャロル共々抵抗なく楽しめた数少ない日本人バンドでしたし、この時のライブも印象深く残っています。
ビーチボーイズのステージは、我々世代には嬉しい60年代ヒット曲のベスト選曲。演奏の出来不出来関係なく、あのビーチボーイズが目の間にいるという感動のみでした。それでも一番の記憶は残念ながら、ブライアン・ウィルソンの挙動不審ぶりでした。
ステージ上での彼の動きは怪しいもので、これは数万人が目撃してるはずですが、演奏途中でピアノ弾く事やめたかと思うと、急にタバコ吸っては、客席眺めたり、ぼーっとしたり、と完璧にいっちゃってるものでした。ステージよりも長い時間を過ごしたのが楽屋です。
彼に関して面白い現場を目撃しました。出番前も、虚ろな表情でウロウロとひとりです。いなくなったら大変ですから、我々も遠巻きで彼の行動を見ていました。楽屋建物内には、普通にお菓子など売っている売店もあり、彼はそのガラスケースの中をじっと眺めていました。私も彼をジ~っと見つめていました。そして興味深そうに、じゃ~ん、あるお菓子を買ったのです。
明治のポポロン。それを食べながらまたひとり建物内をブラブラ。そして、その背後に忍び寄る桑田佳祐の姿を発見です。彼は彼でブライアンにサインでももらいたいのかも知れません。声かけるチャンスを伺ってました。それを遠巻きに見てる私。そして、彼も声かけるのは、いまだ、と思った瞬間に、彼もまた、楽屋に紛れ込んだファンに"桑田さ~ん"って声かけられて、腰砕けになってました。彼はファンにサインしてあげてましたが、ブライアンのサインをもらえたのかどうかは分かりません。
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