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サタジット・レイによるシュヤム・ベネガル監督『アンクール』(1974年)についてのコメント:
「ストーリー抜きにしても、『アンクール』には、ベネガルの将来を熱い期待をもって待ち望ませるだけの魅力が十分にある。まず第一に、彼は映画制作の二大要素である演技とカメラワークを扱う上で、大きな自信を示している。後者においては、静止ショットも移動ショットも見事に計算されていて、比較的事件の少ない場面でも興味を持続させることに成功している。物語の序盤に、主人公が農場に到着するところから始まる長い場面があるが、ナラティブの観点からは大した出来事も起こらない。しかし、そこは細部への豊かな注力、ユーモアのタッチ、そして主人公と農夫の妻との関係性——空間的には遠く離れているのに、より親密な接触の可能性に満ちていて、プロットとドラマの観点からあらゆる含意を帯びている——によって巧みにまとめられている。農夫の妻を演じるシャバナ・アズミは、最初のうちは素朴な周囲の環境に馴染んでいないように見えるが、彼女の落ち着きと個性には決して疑いようがなく、二つの激しい場面では全力を振り絞り、私たちの最高のドラマ女優の一人として確固たる地位を築き上げている。」
— サタジット・レイ著『Our Films, Their Films』(1976年刊)
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