2025年11月27日木曜日

【果てしなきスカーレット】細田守最新作、ついに酷評祭りに発展した理由を解説・考察します。【ややネタバレあり】

https://youtu.be/Uva_W_6pnBo?si=p5j9fCzwFseCiENE


この映画のメッセージは明確です。本家のハムレットみたいにボケたフリをしてる場合じゃないということ。ハムレットについてはタルコフスキー 『映像のポエジア』が参考になります。

《…私は物質的なルーチンワークに敵対しようとしている人間のエネルギーに引きつけられる。ここで私のもっとも新しい構想の糸玉が巻かれるのである。
 このような観点から私にとって興味深いのは、シェイクスピアの『ハムレット』である。『ハムレット』を私は、いずれ、映画にしたいと思っている。このもっとも偉大な劇のなかには、最高度の精神的レベルにありながら、同時に低劣で汚れた現実との相互関係のなかに入っていくことを余儀無くされた人間についての、永遠の問題が考察されている。これは、もし未来の人間が自分の過去のなかで生きることを余儀無くされたとするならばどうなるか、というような問題を抱えている。ハムレットの悲劇も、私の考えによれば、ハムレットが破滅するということのなかにではなく、ハムレットが死を前にして自分の精神的欲求を放棄し、普通の殺人者にならなければならないということのなかにある。このような変節のあとでは、死は彼にとって至福の出口と言えるのである。あのように決闘で死ななかったならば、ハムレットは自殺することで自分の生命を絶たなければならなかっただろう。》

これはジェンダーについて意識的な知識人にも当てはまる言葉です。

ハムレットは豪華なソ連版(Hamlet - Grigori Kozintsev - Innokenty Smoktunovsky - 1964 -Multiple Sub…)がyoutubeで視聴可能。自分のオススメは低予算のイーサン・ホーク版ハムレット。黒澤明『悪い奴ほどよく眠る』も巌窟王というよりハムレットでそう思ってみると見方が変わります。

とりあえずアニメファンにハムレットの名が刻まれれば良しとするべきでしょうか。
「名前だけでも覚えて帰って下さいね」

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