2025年3月23日日曜日

ドラえもんのび太の絵世界物語を見てきた。本当に良かった。 - orangestar2

ドラえもんのび太の絵世界物語を見てきた。本当に良かった。 - orangestar2

ドラえもんのび太の絵世界物語を見てきた。本当に良かった。

映画ドラえもんのび太の絵世界物語、見てきた、とても良かった。多分、水田ドラ一番の出来なんじゃないだろうか?と思う。
ギミックの回収もすごく綺麗だし、テンポも良いし、ピンチの演出がすごく上手くて、そこからの逆転の要素もすごく上手い、脚本がとにかくうまいし、演出もすごく魅力的。しずかちゃんが大活躍だし、それぞれのキャラクターの見せ場もちゃんとある。シーンの省略が巧くて、多分、真面目にやると3時間を超えるであろう内容が2時間以内に収まってる。例えばメイン道具の「はいりこみライト」など、今までの映画なら【のび太が絵の中の世界に入りたがる】→【色々ジャイアンスネ夫にいたずら】→【色々あってジャイアンスネ夫としずかちゃんで絵の中へ】という流れで20分くらい使いそうなところを、アバンの1分で済ましている。万事がこの調子。

(以下ネタバレ感想)






























舞台が13世紀のヨーロッパの都市、ということで、今までのタイムトラベル歴代ドラの中でも、かなり時代区分的に近い場所を舞台にしていて、そういう時代に「誰も知らない架空の世界」をどうやって落とし込むのか、という難しい問題を巧みにクリアしている。
トロイア遺跡やポンペイのように、紀元前や近くても西暦3世紀くらいなら記録に残ってるだけの幻の街、などもできるけれども、13世紀あたりだとさすがに難しそうなんだけど、舞台を『ヨーロッパ南東』にすることでクリアした。

南東ヨーロッパ……具体的な地域としては
ルーマニア
クロアチア
ボスニア・ヘルツェゴビナ
セルビア
モンテネグロ
マケドニア
ブルガリア
コソボ
アルバニア
トルコ
あたりになる。そこら辺の地域は15世紀、あるいは19世紀にいいたるまで、ヨーロッパとイスラム諸国と東からくる騎馬民族でシッチャカメッチャカな地域で、20世紀になってからはソ連の一部になり、いろいろと歴史も記憶も破壊され、まあ「歴史から消えてしまった国」というものが存在していたいう可能性も、ありそうだな…と思わせてくれる地域なので、そこら辺を舞台として設定したのも上手いと思った。

映画としては「火山で滅んだ」と想像させるように描かれているけれども火山の噴火があればそれは歴史に残るだろうし、そして作中では実際一度も「火山で滅んだ」と言ってなかった気がする…。そこらへんは「作品としては嘘はついてない」と言う事なんだろう。上手い。
日本でだって、13世紀にアイヌの国家と都市が北海道にあった、としても、多分通るし、歴史の空白地帯と言うのは、多分あちこちにあって、そういうところをうまく突いた設定なのだと思う。ヨーロッパ史詳しくないから分からないけれども。
絵具の歴史など時代考証はよく知らないのだけども、かなりちゃんとやってる雰囲気はあった。

ピンチの演出と、その解決がとてもうまい。
状況がどんどん悪くなっていく、これで何とかなれ~! なるだろう、っていう手段や道具がどんどん無効化されていくのは本当に絶望的だった。そして、その状況を覆す手段が、『奇跡』などではなく、ちゃんと理詰めで伏線を貼っていて、それによって解決されるというのが本当に良かった。ものすごいうまい。こんなに上手いの初めて見た。
そして、個人的に良かったのは、今回、のび太が成長しなかったこと。そういうことなしに、ゲストキャラクターの物語と、物語の謎解き的なギミックと、ピンチとそれを切り抜けるという演出だけで2時間を持たせている。

「え!?そうだったんだ! 」という驚きが本当にたくさんあって、ちゃんと伏線が貼られていたにも関わらず、「えええええええええ」と思わされた。速度。速度がある。先の展開を予想させたり、考えさせたりする余裕を持たせない物語の進行速度を維持することによって、あらゆる伏線とギミックが視聴者を驚かせるのに成功している。とにかく脚本が巧い。
最後の、実はクレアが実は…というところなんて、確かに伏線が最初から貼ってあったのに、えええええええええええ!と思ってしまった。

今回、とにかく、美術が良い。
OPが本当に良くて、とにかくOPだけでも観て下さい、あと本編も全部観て下さい、というしかない。本当に絵が綺麗。背景美術も、ドラえもんの色指定も本当に気合が入っている。ボスキャラのデザインもものすごく嫌な感じが秀逸。
あと、服装がいい。しずかちゃんの服装がとても可愛いし、お色直しがたくさんある。
ひみつ道具の使い方と見せ方がよくて、「まずこんな使い方ができます」をちゃんと見せて置いて、「なのでこうやって応用してピンチを切り抜けます」の流れができている。ものすごく丁寧だし、初見ドラえもんの人にも安心して薦められます。まあ、そんな人はいないだろうけれども……。

細かいギャグが本当に良くて、ジャイアンが絵世界に入るときに全員を受け止めるんだけど、クレアだけ逆に入って来るから脳天落としになったりとか、そういう細かい「画でわかる」ギャグがたくさん入っていて、そういう細かいところでの演出が本当に素晴らしい。本当に本当に良い。
あと、近年の大長編ドラえもんは本当によく動く。アニメーションが気持ちいのは当然みたいな顔をしてるけど、本当に構図も何もかも素晴らしくて、是非、映画館のでっかい画面で観て欲しい。映画館は音も大きいですしね。

とにかくほんとうによかった。

大長編ドラえもんで、必ず処理しないといけないギャグ
「僕はタヌキじゃない!」も入ってたし、のび太の射撃ネタも入ってた。
(ただ、今回はあえて、あまりその技術の話はしなかった気がする)
TPのボートがTPぼんのボートであるのも小憎い。ずるい。
そういう藤子ファンがニヤリとする小ネタもちゃんと仕込んでいて、四方八方隙が無いのに、舞台を近世のヨーロッパにするというドラえもん的には禁じ手ギリギリの手段も使いつつ、物語のギミックも素晴らしくて、ラスボスを人間ではなく災害的なものにする、というのも、本当に良い。

人間が敵だとどうしてもちょっと後味的に苦いものが出てしまうから、そこらへんが大山ドラ、原作大長編からの課題としてずっとあって、そこは『越えなければいけない課題』としてずっと存在し続けてた。それを綺麗にクリアしてると思う。一応悪人はいるけれども、どこまでも小物にして、ラスボス自身は『災害』とした。ここら辺が巧かった他のドラとして、『のび太の新恐竜』があって、あれも、展開、演出、脚本、本当に素晴らしかったのだけれども、本当に一番大事な骨格の部分のSF考証と、感動的な物語にするためののび太の設定崩壊がひどかったから…でも、面白いので、藤子ドラの熱狂者以外にはちゃんとお勧めできる作品です新恐竜。

とにかく、ドラえもんのび太の絵世界物語。本当に良かったので、見に行ける人は見に行ってください。

超おすすめです。

小学館ジュニア文庫 小説 映画ドラえもん のび太の絵世界物語

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