【戯曲】バーナード・ショー『アンドロクリーズと獅子』 : びょうびょうほえる~西村俊彦のblog
https://byoubyoubyou.livedoor.blog/archives/52437207.html
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【戯曲】バーナード・ショー『アンドロクリーズと獅子』
『アンドロクリーズと獅子』原題:Androcles and the Lion
作:バーナード・ショー
1911年
【名台詞】
「神さまとは、なんだ?」
「それがわかります時にはね、隊長、わたくしども自身が、神さまになるのでございましょうよ」
【感想】
ライオンが舞台に登場するトンデモ戯曲。
これ、上演出来るんだろうか…映画にはなってるらしいけど。
文庫には写真も出ていたのだけど、これは、本物のライオン…?

アンドロクリーズさんとライオンの話は童話なんかにもあるそうです、
解説によると。
それをベースに、
ローマ時代の、キリスト教迫害を題材に、
弾圧され、コロッセオに放り込まれる側の視点から描かれた戯曲。
かといって悲劇的かというと、
「信仰」という土台に支えられている人々が割合明るく描かれている印象。
タイトルロールのアンドロクリーズは、最終場までさして活躍がなく、
改宗を迫るローマ側の人と、信仰を守る女性・ラヴィニアのやりとり、
屈強で戦いに強いフェロヴィアスが、
「戦わないことで信仰を守る」
というのを、いざコロッセオに放り込まれると破ってしまうとこなんかが面白い。
「賢明なる道は、古いものに対して、頑固に執着するのでもなければ、
また、新しいものに対して、あわてて、迂闊に気を取られるのでもなくて、
両方のよいところを利用するにある」
小物っぽさがあるローマ皇帝の台詞が、意外な名言だ。
ショー先生の持論だろうか?
【収録】
『アンドロクリーズと獅子』
作:バーナード・ショー
訳:市川又彦
1954年 角川文庫
【ネタバレあらすじメモ】
序幕
藪の中に、足に刺の刺さったライオンが休んでいる。
近くをアンドロクリーズとその妻ミジアラが通る。
彼らはキリスト教徒迫害中のローマ時代の人っぽい。
妻がライオンを発見し、ビビる。
夫は、自分が引き付けている隙に逃げろと言うが、
妻は失神。
アンドロクリーズは動物好きを活かしてライオンと仲良くなり、刺を抜いてやり、
一人と一匹はワルツを踊りながら去っていく。
気がついたミジアラは、
「私とは踊ったことないのに!」とキレて後を追いかける。
第一幕
ローマに通じる三つの道路の集合点。
コロッセオに連れていかれて獣の餌食になるキリスト教徒たちが集まっているが、
彼らは皆明るい。
とりわけ明るく器量の良い女・ラヴィニアが、
ローマの隊長たち相手に口喧嘩を仕掛けている。
隊長はラヴィニアを助けようと彼女に改宗を迫るが聞く耳持たず。
やがて、
アンドロクリーズ、フェロヴィアス(力持ち)、スピンソー(道化)らも連行されてくる。
ローマ兵を屈強な体でビビらせるフェロヴィアス。
やがて出発の時間に。
一行は獣の餌になるためにローマに向かう。
明るく笑いながら。
第二幕
コロッセオにおける出番待ち。
まだ改宗を迫るローマ人たちに、
道化のスピンソーはとうとう改宗を選び、部屋を出ていく。
が、たまたまいたライオンに喰われてしまう。
皇帝はフェロヴィアスを見込んで近衛隊に入るように促すが、
フェロヴィアスはそれを拒否。
やがて戦いが始まる。
アンドロクリーズは戦うのではなく獅子に食われたいと、女たちと共に残る。
隊長の、ラヴィニアへの求婚。
フェロヴィアスは武器も持たずに敵を殲滅し、
皇帝は大いに喜び、キリスト教徒がこんなに戦えるなら、
キリスト教徒を許す!と上機嫌。
フェロヴィアスの妹であるラヴィニアほか、皆が放免される。
しかし問題が。
民衆には、ライオンに人が喰われる所を見せる、と約束してあるため、
誰か一人は食わせないといけない。
と、ここで、アンドロクリーズが選ばれる。
いざコロッセオに出てみると、
ライオンは、以前森で刺を抜いてやったライオンで、
ライオンはアンドロクリーズと戯れる。
喝采。
アンドロクリーズがライオンを連れて控え室に戻ると皆はびびり、
皇帝すら腰が抜けたよう。
吠えかかるライオンに、
「皇帝は私の友達だから」と諭すアンドロクリーズ。
皇帝は、キリスト教徒たちを解放する。
幕
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