2025年11月21日金曜日

男女の性差の根源とは? ~演劇『わかろうとはおもっているけど』を通して考えるフェミニズム~レポート | 久留米シティプラザ

男女の性差の根源とは? ~演劇『わかろうとはおもっているけど』を通して考えるフェミニズム~レポート | 久留米シティプラザ

男女の性差の根源とは? ~演劇『わかろうとはおもっているけど』を通して考えるフェミニズム~レポート

10月4日(土)、久留米女性週間記念事業「くるめフォーラム2025」の関連企画としてえーるピア久留米で開催したトークショー。妊娠をきっかけにすれ違っていくカップルを描いた演劇『わかろうとはおもっているけど』の作・演出を手掛けた山田由梨をゲストに迎え、アート・演劇・文術をジェンダーの視点で取材している西日本新聞記者の川口史帆を聞き手に、約50名の参加者の前で作品やフェミニズムについて語りました。その時の様子をお届けします。

ゲスト(写真右):山田由梨(劇団「贅沢貧乏」主宰・作家・演出家・俳優)
聞き手(写真左):川口史帆(西日本新聞報道センター文化セクション記者)


 児童劇団に所属していた幼少期以降、学業専念の時期を経て高校時代に再び俳優を志した山田由梨さん。芸能事務所から食事制限や"白いワンピースの似合う清楚な女の子"であることを求められる中、小劇場で観た演劇に影響を受け「自由になりたい」と望むようになった。やがて作り手としての自我が芽生え、20歳で劇団を立ち上げる。その名も『贅沢貧乏』。大学生だからお金はないけど、手間をかけてお客様に贅沢な時間を届けたい、そんな思いを込めた。

 贅沢貧乏の『わかろうとはおもっているけど』(以下、『わかおも』)では、1組のカップルの妊娠をきっかけに、家事分担や仕事の比重といった日常生活における男女の性役割から、カップル間の性的同意など少し踏み込んだ部分までが描かれる。妊娠の報告に戸惑いつつも喜ぶ彼と、素直に喜べない彼女。物語は、なぜ彼女が妊娠を喜べないのかを紐解いていく中で、女性を擁護する友人や世代の異なる二人の不思議なメイドが登場し、混とんとしていく。

 山田さんが本作を書いたのは27歳の時。少子化の原因を女性に押し付けるような政治家の発言を自分ごととして捉え、出会ったばかりのフェミニズムと向き合った。女性に子どもを産むことを強請する社会、妊娠は喜ぶべきことという風潮にも違和感があった。「今まで刷り込まれてきた常識と新しい価値観が、自分の中で激流となってぶつかって潮目のような感じだった」と当時を振り返り、「フェミニストという言葉を使うのに勇気が必要だったころの葛藤する心が表れている。今の自分には書けない大事な作品」と目を細める。

 フェミニズムを考察しているとき、自身の内面にいろいろな価値観が共存していることに気づいた。『わかおも』はそんな複合的な内面を、四人の女性に分けて描いている。例えば予期せぬ妊娠がわかったとき、喜べない自分を責める自分、喜べない理由があるから仕方ないと開き直る自分、なんでわかってくれないのと憤る自分、好きな人の名字になるのが嬉しいと思っていた昔の自分がいてもいい。「妊娠したことを喜べなくて嫌だという感情を肯定したかった」。


 登場人物は女性四人に対し男性一人。優しい彼は彼女に寄り添おうとするのだが、気持ちは届かず堂々巡り。「‟わかり合う"には相手の立場をどれだけ想像できるかが重要。そもそも異なる環境で生きてきた個人が理解しあうなんて、すごく難しいんだよってことを考え抜いて書いた自由研究の結果」が本作だ。子どもを産むのは女性で、身体の違いを無視して男女平等は成り立たない。みんなに当事者として観てもらいたいから、演出も含め男女の対立にならないよう意識した。

 二人は結局わかり合えたの?という問いには「それはみなさんが観て判断すること」とニッコリ。伝えたかったテーマを聞かれると「演じるときは徹底的に役(他者)の立場を考える。だから作品を観て共感することは、他者理解にもつながると思う。『わかおも』は男女を超えた他者理解の話。フェミニズムかどうか以前に相手や違う意見、そこに至った歴史もすべてリスペクトし、どんな人の生き方も複雑なまま肯定したい」と俳優から転身した山田さんらしい回答。

 最後は、「世界はすごいスピードで変化しているから戸惑うこともあるけど、それぞれ学ぶ機会や理解できるタイミングは違う。自分の内面で分裂したり対立したり、いろんな感情があるのは当然だし、意見がまとまらなくてもいい。これから自分はどう変化するのかな、相手も次に会ったときは変わっているかもしれないな、くらいの穏やかな感じで他者を理解すると良いかな」と柔らかな笑みを浮かべながらも凛とした口調で締めくくった。

オルペウス - Wikipedia

オルペウス - Wikipedia

オルペウス

曖昧さ回避 オルフェウス」はこの項目へ転送されています。他の用法については「オルフェウス (曖昧さ回避)」をご覧ください。

オルペウス[1]古希: Ὀρφεύς, Orpheus)は、ギリシア神話に登場する詩人にして音楽家[2]

死んだ妻エウリュディケー冥界から連れ戻そうとした冥府下り英語版の物語で知られ、後世ヨーロッパの文学・芸術でたびたび題材にされた[3]。その他、アルゴー船の船員としてセイレーンと歌合戦した物語、死後生首が歌った物語、星座こと座」の由来、オルペウス教の創始などでも知られる。

φ表記揺れオルフェウス[4]フランス語読みでオルフェ: Orphée)などとも呼ばれる。

物語

素性

アポロドーロスによれば、ムーサイのひとりカリオペーオイアグロスの子として、ただし名義上の父親はアポローン神として、オルペウスは生まれたとされる[5]。またオルペウスの父はトラーキア王であったともされ、グレーヴスはオイアグロスをトラーキア王としている[6]。10世紀頃の『スーダ』はオルペウスをアトラースの娘の1人アルキュオネーの子孫と伝えている[7]

竪琴の技はアポローンより伝授されたともいう。その技は非常に巧みで、彼が竪琴を弾くと、森の動物たちばかりでなく木々や岩までもが彼の周りに集まって耳を傾けたと言われる。

冥府下り

オルペウスの妻エウリュディケーが毒蛇にかまれて死んだとき、オルペウスは妻を取り戻すために冥府に入った。彼の弾く竪琴の哀切な音色の前に、ステュクスの渡し守カローンも、冥界の番犬ケルベロスもおとなしくなり、冥界の人々は魅了され、みな涙を流して聴き入った。ついにオルペウスは冥界の王ハーデースとその妃ペルセポネーの王座の前に立ち、竪琴を奏でてエウリュディケーの返還を求めた。オルペウスの悲しい琴の音に涙を流すペルセポネーに説得され、ハーデースは、「冥界から抜け出すまでの間、決して後ろを振り返ってはならない」という条件を付け、エウリュディケーをオルペウスの後ろに従わせて送った。目の前に光が見え、冥界からあと少しで抜け出すというところで、不安に駆られたオルペウスは後ろを振り向き、妻の姿を見たが、それが最後の別れとなった[8]。ただし、この時エウリュディケーを冥界から連れ戻すのに成功したという異伝もある[2]

アルゴー探検隊

オルペウスは、イアーソーン率いるアルゴー船探検隊(アルゴナウタイ)にもヘーラクレースらとともに加わった。人間を歌で誘惑し殺害する女怪セイレーンに歌合戦を挑み一座を鼓舞、無事に海峡を渡った。このとき、ただ1人テレオーンの子ブーテースのみが誘惑に負けて命の危機に陥ったが、アプロディーテーが彼を救ってリリュバイオンに住まわせた[9][10]

オルペウスの死

妻を失ったオルペウスはそれ以後女性を近づけなかったので、トラーキアの女性たちは侮辱されたと怒り、ディオニューソスの祭の際に狂乱の内にオルペウスを八つ裂きにして殺した[11]。殺された理由は女性を嫌って美少年のカライスを愛したためだとも、彼が創始した秘教会に女性を入れなかったためだとも、アプロディーテーがペルセポネーとアドーニスを巡って争った際に審判者のカリオペーがアドーニスの所有権を公平に二分割したことに怒り復讐のため女性たちをけしかけたためだともいわれる[11]。また、秘教の入信者に神々の秘密を洩らしたためにゼウス雷霆ドイツ語版で撃ち殺されたという説もある[2]

女性たちはオルペウスの身体をヘブロス河に投げ込んだ[11]。しかし彼の竪琴と首は、河を流れ下って海に出てレスボス島まで流れ着いた[11]。島人はその地にオルペウスを埋葬した[2]。以来、レスボス島は傑出した抒情詩人を輩出することとなった[2]。また、彼の竪琴は天に挙げられこと座となった[2]

脚注

  1. 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店、1960年。ISBN 9784000800136normal 90頁。
  2. ^ a b c d e f 松原國師『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年。ISBN 9784876989256 369頁。
  3. ^ イヴ・ボンヌフォワ 編、金光仁三郎 ほか訳『世界神話大事典』大修館書店、2001年。ISBN 978-4469012651 410;810f;861ff頁。
  4. ^ レナル・ソレル 著、脇本由佳 訳『オルフェウス教』白水社〈文庫クセジュ〉、2003年。ISBN 978-4560058633 163頁(訳者あとがき)。
  5. ^ アポロドーロス『ギリシア神話』一巻 III 2
  6. ^ グレーヴス『ギリシア神話』28章a
  7. ^ 『ソクラテス以前哲学者断片集 第1分冊』p.4。
  8. ^ グレーヴス『ギリシア神話』28章c
  9. ^ アポロドーロス『ギリシア神話』一巻 IX 16
  10. ^ アポロドーロス『ギリシア神話』IX 25
  11. ^ a b c d 『ギリシア・ローマ神話辞典』90,91頁。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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男女の性差の根源とは? ~演劇『わかろうとはおもっているけど』を通して考えるフェミニズム~レポート | 久留米シティプラザ

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