池畑慎之介いけはたしんのすけ 旧名・別名 ピーター 俳優・歌手
大河ドラマ 北条時宗(2001)
北条実時 役


インタビュー
初の大河ドラマ出演となった『北条時宗』。主演が当時大人気の和泉元彌くんでしたが、きれいなお顔立ちですし、人気絶頂のときということもあり、目がキラキラと輝いていたのを覚えています。本業は狂言師で古典をされていらっしゃる方だったので、所作やたたずまいが美しかったですね。時代劇は、そういう素地があるとステキにキマります。私も幼いころから舞の稽古をしていたので、和装での所作に自信があります。だから、時代劇のオファーも、まったく迷いませんでしたね。


私は時宗の人格形成に大きな影響を与える指導者・北条実時の役をいただきました。安達泰盛役の柳葉敏郎さんと共に時宗を支えていくのですが、冷静な実時と激情的な泰盛はまったく逆のタイプ。役として台本どおりにぶつかり合っているのに、だんだん相手の考えていることが分かり合えていく感じがあって、面白かったですね。


クランクインが岩手県でのロケでした。撮影初日ってピリピリとしているときがあるのですが、山や空が見えるような広々とした開放的な場所でのロケだと、そういう緊張感がなくて気持ちよく撮影に入れるんですよね。そんな現場に、大きな病の長期療養からの復帰後第1作目の渡辺謙さんが大きな犬を連れていらっしゃっていて、「海外の俳優さんみたいでカッコいい~!!」って思いながら、初対面のごあいさつさせていただきました。


謙さんとは共演シーンも多く、初共演にもかかわらず、仲良くなりました。だから、渡辺謙さん演じる北条時頼が亡くなるシーンでの撮影は、「もう会えなくなっちゃうのか…」と寂しく、残念に思った記憶がはっきりと残っています。でも、このシーンは、私、かなり好きです。みなさんにも、ぜひ見ていただきたいですね!


後半は白髪のひげとかつけておじいさんになって死んでいくのですが、「老け顔もできるんだね」と評価をいただいて、役者としても幅がグッと広がった作品となりました。実はね、老齢の実時を演じるとき、白髪のひげをつけて衣装を着ながら、昨日は華やかな衣装とキラキラのメイクをしてシャンソンを歌っていた私が、今日はこれ!とギャップも楽しんでいたんですよ。「こんなこと、他の役者さんはできないでしょ!」って、こっそりほくそ笑んでいました(笑)。こんな楽しいことを仕事にできている私は、とても幸せ人間だなと思います。
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