2025年4月30日水曜日

【西田宗千佳のRandomTracking】『新幹線大爆破』はこうして生まれた。発想の風船を「割られなかった」理由とは - AV Watch

【西田宗千佳のRandomTracking】『新幹線大爆破』はこうして生まれた。発想の風船を「割られなかった」理由とは - AV Watch

『新幹線大爆破』はこうして生まれた。発想の風船を「割られなかった」理由とは

Netflix版『新幹線大爆破』が、4月23日16時から配信開始となった。

というわけで、樋口真嗣監督への単独インタビューをお届けする。

といっても、その内容はネタバレ満載。なので、できれば視聴後にお読みいただきたい。

その前に「視聴を盛り上げる微バレエピソード」として、『新幹線大爆破』のVFXに関するお話を読んでいただき、後半で満を持して樋口監督の「複数回視聴を前提とした」インタビュー、という構成になる。

その関係上、前半は「微バレ」、後半は「ネタバレ」にご注意いただきたい。

理不尽はCGに、「こうあってほしい」ことは特撮に

まず前半では、監督とともにNetflix版『新幹線大爆破』のVFXを担当された、VFXスーパーバイザーの佐藤敦紀氏、Compositing Supervisorの白石哲也氏の話から行こう。

本作は「止まると爆発する新幹線をどう止めるか」がテーマの映画だ。

JR東日本の特別協力で作られた本作品は、JR東日本の駅をはじめとしたファシリティや、実際に走っている車両を使って撮影されている。特に東北新幹線については、撮影のためだけの特別編成車両を、東京-新青森間で7往復も走らせている。日本国内において、この規模で撮影協力が得られることは、非常にまれなケースといっていい。

だが、それでも必要なカットをすべて撮影できたわけではない。当然のことながら『新幹線大爆破』は、実景撮影とVFX、いわゆる特撮を組み合わせて作られている。

というのは、撮影に適した本編中で必要な時間帯や場所であっても、映画本編に合うように新幹線が走っているとは限らないからだ。東北新幹線は多くの人々の「日常の足」なので、そりゃあ当然の話なのだが。

その中で「鉄オタに突っ込まれないリアリティ」(樋口監督)を追求するためには、細かい努力も行なわれている。

現実の「はやぶさ」は「U1」から「U52」までの52編成あるのだという。だが、『新幹線大爆破』内の「はやぶさ」は架空の編成番号である「U75」。全編に写っている車両に表示される編成番号は、すべてU75へと細かく書き換えが行なわれている。

また、タイミングの関係で、進行方向が逆の編成を撮影して「逆転」して使う場合もあるという。そうなると先頭車に連結されている「グランクラス」の位置が不自然になるので、これもVFXで修正。

本来は通らない線路を通っているシーンの車両は、当然CGを合成したものになっている。

爆発シーンは当然、6分の1スケールという巨大な模型を使った特撮なのだが、それ以外にも多々ある。

例えば、車内のシーンには、実際の新幹線の中で撮影されたものの他に、「新幹線と同じサイズかつ、同じ素材を使って作られたセット」も2輌あったという。その左右にはLEDウォールが用意され、車窓の実景を表示しつつ撮影が行なわれた。どのシーンが実際の車両で、どのシーンがセット+LEDウォールなのかは、言われないとわからないはずだ。

佐藤氏は、「これまでの作品でやってきたことと大きな違いはない」と前置きしつつも、次のような方針を説明する。

佐藤氏(以下敬称略):ただ、作品の内容がこういう(現実感のある)話なのが重要。例えば、怪獣が出てくるものとはちょっと違う。本物を撮影したものと特撮、CGがあるが、差が出てはマズいわけです。いかにもミニチュア、いかにもCGと言われないように……というプレッシャーはありました。

同様に、白石氏もこう説明する。

白石:前提がリアルに見せることですから、新幹線をCGで作る上で、「全体を綺麗に見せていかない」ようにしました。

例えば、最後に新幹線が(水の入った)クッションドラムに突っ込んでクラッシュするシーンがあります。そこはCGで頑張ることもできたのですが、特撮です。ここまでの(大きな)ミニチュアでやるなら、それがどういう状態になるのか、フルCGのシーンにとっても拠り所になる素材になりました。VFXを足してはいますが、水などのリアルな挙動があってのもの。全体進行を考えても、複雑な絵を特撮でやっていただいたのはありがたかったです。

特撮・ミニチュアとCGの判断について、樋口監督は次のように話す。

樋口:こういう作品ですから、見ている方には「助かるだろうか」「生き延びることができるのだろうか」という感情移入が生まれます。

ですから、観客が望むこと・こうあって欲しいことはミニチュアで撮影し、「理不尽なこと」はCGで……という形にしています。

それがどういう意味を持つかを考えながら本編を見るのも面白いのではないだろうか。

「風船を割りに来ないネトフリ」

VFXへのこだわりが実を結んでいることは、トレイラーを見ていただければお分かりかと思う。

樋口監督は「やりたいことはほぼできた」と話す。

樋口:基本的に、俺個人は監督として、「あれをやりたい」「これをやりたい」という話を、風船のように膨らませます。

でも制作過程で、その風船の9割は割られていくわけですよ(苦笑)。これまでは、その残りでどう満足してもらうかを考えてきたわけです。

ただ、(構想の風船を)割る、という選択肢をネトフリが持ってなかった。

普通であればバジェット的に「こんなことが日本ではできない」という話について、こちらも無理・無茶は言わないですけど、「ここまでやりたい」というチャレンジには寛容、理解を示してくれました。少なくとも話を聞いてくれた。

ネトフリとプロダクションサイドで実現に向けてくれたんだろうと。

「風船を割りに来ない」という発言には、後ろにいた、エグゼクティブ・プロデューサーの佐藤善宏氏が「そんなことないです」と苦笑していた。

しかし実際のこととして、樋口監督や制作スタッフが考えたことを「いきなり割りに行かない」「どうすれば、どこまで実現できるか」が強く重視されていたと感じる。それが、ここまで大きな規模の作品を実現した背景にあるのだろう。

もう1つ、今回のビジュアル面の挑戦があった。

それはアナモルフィックレンズの活用だ。全編に、アナモルフィックレンズによる印象的なレンズフレアが入っている。水平に走るレンズフレアは、いかにも鉄道をテーマとした作品に似つかわしい。

だが実は、「一般的に、アナモルフィックレンズのフレアは、CG合成と相性が悪い」(樋口監督)のだとか。その関係もあり、過去の作品では「割られていた風船の1つ」だったわけだ。

今回は新興メーカーであるAtlas社のアナモルフィックレンズを活用し、印象的なレンズフレアが使われている。

ただ、どうも効きすぎる傾向もあったようだ。

樋口:Netflixのクオリティコントロールはとても厳しいんですね。その中で「ブラインドから伸びるフレアが強すぎる」と指摘されたところもありまして……。

ただ、そこにある「光源の実在感」があって、現実感・臨場感を高めてくれます。画面にファクターが1つ増えるというか、予想を超えた動きを加えてくれるんですよね。

これもまた、「結果的に割られずに残った風船」ということになるだろう。

この先は作品を見た後に

というわけで、ここまでVFXに関するこだわりをお伝えしてきたが、ここからは監督の単独インタビューになる。

  • 1975年版『新幹線大爆破』の中核
  • 今作 樋口監督版『新幹線大爆破』の核心

に関わる話が出てくる。

だから、両作を視聴したのちに読むことを強くお勧めする。ネタバレを避けたい方は、以下画像の後にインタビューとなるので、まずは「見てから」お戻りいただきたい。

さて、そろそろ覚悟はできましたか?

このあとは単独インタビューになる。

「こうしないと今の作品にならない」

1975年版『新幹線大爆破』と今作は、「新幹線に爆弾が仕掛けられ、速度が落ちると爆発する……と脅迫される」という流れが共通している。

しかし時代の変化から、「構造は同じだが犯人の目的が異なる」(樋口監督)。

樋口:(『新幹線大爆破』は)自分一人なら「作れると思わない」くらい、はみ出ている作品です。作るには圧倒的なバジェット(予算・経費)がかかる。

実際'75年版自体が、バジェットに対しては失敗している。成果主義的に見れば、そう思います。

また、本質的にはアウトローの話であり、ざっくりいえば犯罪サスペンスです。すなわち、マスに受けやすい「開放的なエンターテイメント」になりにくい。

それをどう映画として着地させるのか。

巨額の予算をかけて作るとすると、'75年当時、オリジナルにGoを出した東映ですら、今は無理でしょう。

そこに、「ネトフリでやる」という話が出てきた。

それなら、他でやるよりはリアリティがある。要は、そこに乗っかった形です。

'75年版は国鉄(当時)からの協力を得られず、リアリティの面では成功していたと言い難い。国鉄から全ての協力を断られ、当時使える予算の範囲で作ったと思えば素晴らしいのだが、やはり限界は感じる。当時として大きな予算をかけて作られたにもかかわらず、興行的には赤字だったと言われている。

樋口:こうした作品はもちろん嫌いなものではないですし、リメイク的なものも、これまで何本か撮ってきました。

その苦しさも十分わかった上で、じゃあどうするべきか?

実は(話がきた段階で)プロットがもう上がっていたのですが、自分のモチベーションとして「こうしなきゃダメじゃん」というところはありました。

それはすなわち「犯人を誰にするか?」、そして「どう裁くのか?」。

この物語世界における神として、どういうふうに裁くのが一番いいんだろうか、と。

つまりそれが、この映画の社会に対するスタンスになるんじゃないかな……と思ったんですよね。

'75年版では、犯人と国鉄側の2層でストーリーが進んでいく。今作は冒頭こそ一本の軸で走っているように見えるのだが、犯人の姿が見えてくると、'75年版と同じ、救う側と犯人の「2層の物語」であることが見えてくる。

ただ、犯人の姿は大きく異なる。

樋口:あの時代に爆弾を仕掛ける人たちの理由があったとします。

それを50年後の、今の世界に置き換えた時に、「同じ人たち」じゃない。なぜなら、もう彼らは、今の社会カーストの中にいないわけですから。

そもそもなぜ爆弾を仕掛け、身代金を要求するのか。モチベーションをどこに据えるべきなのか、ということを、脚本チームと話し合いたい……というのが、自分の中の一番のモチベーションだったんですよね。

要は、「身代金を要求するが犯人の目的はそこじゃない」というところ。

犯人はどういうモチベーションを持っているか、犯人構造を最初に決めたかったんです。そこが決まらないと映画にならないと思っていたので。

つまり「犯人像をもう一回リセットできないか」という話から始まっています。

'75年版は、高度成長の中で弾き飛ばされた犯人たちが「犯罪によって経済的に復讐する」物語であった。

だが今作は違う。身代金要求はあるが、犯人はそれを目的としていない。犯人である、豊嶋花演ずる少女・小野寺柚月が抱えるのは、家庭や学校など、周囲とのズレから生まれる「闇」であり、親への復讐だ。

樋口:この作業をしている時、NHKで『17才の帝国』っていうドラマがあったんですよね。

あれが当時、心に引っかかっていて。

17才の帝国(NHKオンデマンド)

だから最初は「大人 対 子供の話にできないか」と考えたんです。

この世を儚んだというか、大人たちのやっていることに対して見切りをつけた高校生たちが、大人に対して宣戦布告をする……みたいな話ができないだろうか。そのために爆弾を仕掛けて、しかも狂言として自分たちの乗っている新幹線でやろう、と思っていたんです。

絶対面白いなと思ったんだけど、全く収集がつかなくて。

最後、終わらないんですよ、やっぱり。

終わらないし、「じゃあ全員捕まったところが解決になるか」って考えてみると、ならなかったんですよね。

「個人 対 国家」にしていくのが一番わかりやすいんじゃないか、そこで犯人は先生にしちゃおうとか……まあ『太陽を盗んだ男』(1979年、長谷川和彦監督作品)ですよね。でもそれにしたって、先生のモチベーションが必要で、うまく着地できない。

結局誰が犯人になるにしても、犯人を物語の中で裁かなきゃいけないわけですよ。

そこから逆算して犯人像を作っていく中で、「小野寺柚月」というキャラクターが生まれたんです。

それでもやっぱり強い動機が必要。動機を性犯罪などの「心の傷」みたいなものだけにしちゃうと、それはそれで裁きづらくなっちゃうんですよね。

その時に誰かが本当に、ポロッと。

「くっつけちゃえばいいじゃん」って。1975年版と。

本作は、1975年版の事件が、過去に実際に起きた世界を描いている。小野寺柚月の父も、そして柚月に爆弾という力を与える人物も、「過去の新幹線事件」に強く関わっている。

樋口:ちょっとマルチバース的な話でもありますが、世界線として「1975年版の後の世界」にしてしまえばいいんじゃないか。

頼りたくはなかったっていう思いもあるんですけど、そうすると、綺麗に犯人像が、像を結んだんですよね。

続編でもないけど、そういう味付けだったらいいんじゃないかな……と脚本チームと話しました。これなら、そんなに自分としては嫌にならない。

さらにその上で、樋口監督は「ストレートに悪意ある犯人を裁く」ことも選ばなかった。

樋口:今回、犯人の細部の話は、全くもってもやもやしたまま終わります。

実は、なに一つ解決してないわけですよ、彼女の気持ちとかは。今の自分たちも、彼女が置かれた苦しい立場などに対して、明確な答えは出せないわけです。説教じみた言い回しで答えを出しちゃうことが、むしろ罪なんじゃないかと。

犯人に軸足を置いた時に、「どう終わってほしいか」を、自分の心の中の厨二病に訊くわけですよ。

そうすると、昨日まで知らなかった人、例えば(草彅剛演じる)車掌の高市がなにか言ったから納得できるかというと、多分納得できないよね……っていう部分はあって。

そこは本当に、正直に作りたかった。映画の嘘というか、都合のいい着地点みたいなものを作りたくなかったんですよね。

映画の嘘を離れて

'75年版『新幹線大爆破』も、決して後味のいい作品ではない。

犯人である沖田哲男・古賀勝・大城浩は救われることなく死んでいき、乗客を救ったはずの国鉄・倉持運転指令長は無力感を滲ませて国鉄を去る。

誰も救われず、状況の根本は解決されないまま、事件だけが過ぎ去っていく。

「新幹線大爆破、という作品の構造は意図的に踏襲する」と決めた樋口監督は、今作を、どこかに苦さを残した作品にしている。

その点を質問したとき、樋口監督は次のように話し始めた。

樋口:こういう物語の作劇としては、主人公である高市という車掌を、本来であればもう少し「どんな人間か」ということを描かなきゃいけないわけですよ。

どんな人間かを描く場合、一番簡単なのは「この極限状況で家族のことを案じる姿」を見せること。家族を案じて電話しなきゃいけない、連絡をしなきゃいけない。でも車掌だからできないという葛藤がある……。

実は、そんな話を最初に盛り込んでいたんです。

ところが、JR東日本サイドからすごいことを言われまして。

「これ無理ですね」って。

本作はJR東日本の特別協力のもと作られている。実際の撮影への協力はもちろんだが、出演者の所作に関する指導や衣装のチェックの他、シナリオや演出に関するチェックにも協力している。狙いは「できるだけリアリティを出すため」だ。

いくつかのシーンでは、事前にCGで作ったプリビジュアライゼーション映像を見せ、コラボレーションしながら撮影プランが作られていたりするという。

その過程で出てきたのが、前出の「家族に連絡をとることに対する葛藤」への指摘だ。

樋口:乗務員って、スマホであるとか携帯であるとかを、車内に持ち込んじゃいけないんですよ。業務時にはロッカー内に預けるんです。

つまりそのぐらい、自分を捨てなきゃいけない職業なんだと。

めっちゃくちゃ残酷な話で。彼らは仕事に臨むとき、自分が何者かであることを剥奪されるわけですよ。

高市には「仕事だからできることがある」というセリフがあるんですが、彼(高市)は、仕事にしがみついて自分を殺している。殺さないと、責任あるその場に立つこともできない……っていうような人間にしてあるんです。

だからこそ、最後に事件が解決してみんないなくなってしまったあと、彼が戻る場所は家族ではなくて「仕事の仲間」なんです。

運転手・松本(のん)もそうです。

結局最後は2人になるし、その先に待っているのは仕事の仲間たちであるという。

それはそれでものすごくちょっと……いやな話ではないけど、苦い話にしたかった。

家族の物語ではなく同僚の物語を選んだ、というのは意図的なものであり……意図的というか、そうせざるを得なかった。

それがJRの人たちの見解なんですよね。

お話を聞いていると、「そういう覚悟を持って仕事をしている」っていう人々だと見えてくる。俺たちが想像する以上の厳しい仕事なんだってことがわかる。厳しいし誇り高いし、立派なわけですよ。

この話を聞いた後、脚本家チームと「シナリオは大きく変えなきゃいけないけど、組み直そう」と決めました。

これをやっぱり映画の軸にしないと甘い話になっちゃう。そこはイーストウッドの映画じゃないけど、「苦く」したかったんですよ。

「映画なんで、できることにしましょう」と言ってしまいがちだし、そうやって譲ることもできたでしょう。

でも、実際に「そうであること」を物語に落とし込んでいかないと、もったいないなと思ったんですよね。

映画の嘘でまとめたら、「今の世の中の新幹線大爆破」にならないんじゃないかと思いましたし。JR東日本の方たちが指摘してくれたことに感謝です。

「ならば重みを取ろうじゃないか」

映画には嘘がある。本作も例外ではない。

だが作品を組み立てていく過程で「樋口組」は、軸となる部分で「映画にありがちな嘘」を選ばなかった。

樋口:お話の都合だけで突っ走ることもできるんです。

だけどもやっぱり『シン・ゴジラ』(2016年)以降、自分たちの中に、現実に従うというか、「本当はどうなんだ」ということに対しての向き合い方が変わったんですよね。

「本当がこうだったら、お話の都合なんてどうでもいいんじゃないか」っていう感覚が、我々のどこかに植え付けられたというか。

映画らしくはなくなるかもしれない。ちょっと「エモ味」が下がるかもしれない。

けど、明らかに事実がそうならば、重みが変わる。「ならば重みを取ろうじゃないか」というのが、自分たちの中にあるんです。

ゴジラにしてもウルトラマンにしてもそうです。

現実に爆弾は仕掛けられないし、爆発もしないかもしれない。けれども、その周りにあるものってなるべく本物にしたかったんですよ。本物じゃないと、爆弾は爆発しないんです。

現実の重みを重視する、という姿勢は「自分の中では、やっぱり『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995年)からじゃないか」と樋口監督は言う。脚本の伊藤和典氏がソリッドな脚本を旨とする方である、ということは大きく影響していただろう。

ただ、映画は制作にリスクがつきもの。そのリスクを避ける際、「シンプルにウケやすい」話へと変更する圧力が生まれがちだ。インタビュー冒頭で出てきた「開放的なエンターテイメントになりにくい」という発言はここにもつながる。

樋口:『シン・ゴジラ』の時にはそういう話もあったんですよ。でもあの時は(変更の要請は)もう全くばっさり落としたわけです。

それはね、もう庵野秀明がひたすら脅迫していただけですよ。「嫌なら降りる、好きなようにやってください」って(苦笑)。

少なくとも今回、Netflixでの制作中に(路線変更を)言われたことはないですね。

もしかすると佐藤善宏(エグゼクティブ・プロデューサー)がその辺を、身を挺して止めていたのかもしれないし、他の誰かが止めてくれていたのかもしれない。この会社の真意はどこにあるのか、いまだに俺は分かってないです(笑)。

ただ今回は、思ったことをかなりできた、という手応えはありますよ。

本当に、今まで必ずいたような「邪魔する人」が一切いなかった。こっちに寄り添ってくれたな……っていう感じはありますね。

「説明ゼリフ」も減っています。

キャラクターの背景などは、それこそ「最初の2分で全部わかるようにしなきゃいけない」と言われるわけだけど、別にそこでわかんなくても、物語として外れていかなかったらそれでいい。

そういう自信は、ここ数年の作り方の中でみんな身につけてきました。昔だったら心配になっちゃうから「ちょっと入れとこうよ」って、誰かが言ったりするわけですよ。

でも、それもなかったんですよね。もはや。

それは結局これまでここ数年間積み重ねてきたものっていうのもあるし、キャストとの間で「これでもちゃんと伝わるんだ」という関係性にもなっていましたから。

「やりたいのはこういうことですよね」っていうところで、みんなチューニングがあった、というところですかね。

「マンダロリアン」に黒澤明監督のフィギュアが隠されている? ─ デイブ・フィローニ監督が明かす | THE RIVER

「マンダロリアン」に黒澤明監督のフィギュアが隠されている? ─ デイブ・フィローニ監督が明かす | THE RIVER

「マンダロリアン」に黒澤明監督のフィギュアが隠されている? ─ デイブ・フィローニ監督が明かす

錚々たる監督たちに影響を与えた"世界のクロサワ"。『スター・ウォーズ』の生み親、ジョージ・ルーカスもまた巨匠・黒澤明を尊敬してやまない。どうやら、『スター・ウォーズ』のインスピレーションともなった黒澤明監督への愛は、Disney+(ディズニープラス)ドラマ「マンダロリアン」(2019−)にも隠れているようだ。

『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)の5年後を舞台とした本作。帝国の崩壊後、帝国軍の残党や無法者たちがのさばる時代に、"マンダロリアン"という一匹狼の戦士たちの戦いを描く物語だ。『スター・ウォーズ』ファンの心を鷲掴みにしている本作は、、シーズン3が2023年2月より配信開始となる。

本作の監督を担当しているひとりデイブ・フィローニは、ジョージ・ルーカスからの意志を受け継ぐだけでなく、黒澤明監督からの影響も受けているという。2022年5月下旬、3年振りの開催となったイベント「スター・ウォーズ・セレブレーション」にてフィローニは、「ジョージは僕に多くの影響を与えてくれた方で、そのジョージにとっての師匠は黒澤明なんです。黒澤明の作品は自分でもたくさん研究しましたし、ジョージとも話しました」と明かしている

「マンダロリアン」では黒澤明監督の名作、『用心棒』(1961)を彷彿とさせる場面が登場することでも話題を呼んでいたが、「誰にも見つけられることはないと思いますけど、よくやっていることがあるんです」と打ち明けるフィローニ。それはなんと黒澤明監督のフィギュアを、イースターエッグとして作中に忍ばせておくことだというのだ。

とにかく小さい黒澤明のフィギュアがあるのですが、僕が監督したすべてのエピソードでは、セットのどこかにいるんです。彼を忍ばせていますエピソードを撮影しているとき、黒澤明がいつもモニターのすぐそばにいて、ジョージに彼が与えた映画製作の原則の多くを思い出させてくれます。だから、僕がやっていることにも彼の影響もあるわけなんですよ。」

こっそりとセットのなかに紛れ込ませているようで、「見つけるのはかなり難しいでしょう」というフィローニ。どれぐらいのサイズなのか、どんなビジュアルなのかも不明のため、発見するのは、『ウォーリーを探せ!』以上に至難の業と言えるだろう。ちなみに、「マンダロリアン」でフィローニがメガホンをとったエピソードは、チャプター1「マンダロリアン」、チャプター5「ガンファイター」、チャプター13「ジェダイ」である。目を研ぎ澄せば、小さくなった巨匠、黒澤明監督を探し出せるかも……?

Source: Comicbook.com

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スコセッシ、黒澤明が33年前に言っていたことが「今なら分かる」 ─ 「私は歳を取った、時間があまりない」 | THE RIVER

スコセッシ、黒澤明が33年前に言っていたことが「今なら分かる」 ─ 「私は歳を取った、時間があまりない」 | THE RIVER

スコセッシ、黒澤明が33年前に言っていたことが「今なら分かる」 ─ 「私は歳を取った、時間があまりない」

沈黙 マーティン・スコセッシ

映画監督マーティン・スコセッシはここ近年、多くのメッセージを与えてきた。変わりゆく映画業界に対する警告とも捉えられる言葉もあれば、次世代のフィルムメーカーたちを鼓舞する言葉も。時にその発言が大きな物議を醸すこともあったが、一つひとつの言葉には強い意志が感じ取れると共に、どこか寂寥感も帯びている。

最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の公開にあわせて米Deadlineで掲載されたロングインタビューでは、スコセッシが映画監督としての心境の変化を明かしながら、意味深長なコメントを残している。80歳となったスコセッシは、今後の映画作りについて問われると「やらねばなりません。やらねば」としながら、「世界は私に心を開いてくれましたが、もう遅い。遅すぎるんですよ」と述べているのだ。

"遅い"という言葉の真意を代弁するものとして、スコセッシは日本を代表する巨匠監督、黒澤明がかつてアメリカの映画人たちに語ったという言葉を紹介する。1990年に開催された第62回アカデミー賞授賞式で、アカデミー名誉賞を受賞した黒澤が行ったスピーチでの一節だ。

「私は歳を取りました。色んなことを見てきました。物語を伝えたいですが、時間はあまりありません。黒澤はアカデミー賞を取り、ジョージ(・ルーカス)とスティーヴン(・スピルバーグ)が(オスカー像を)彼に渡した時、こう言いました。"シネマがどのようになるのか、その可能性をやっと見始めています。でもそれはもう遅い"と。彼は83歳でした(※)。あの時、私は"どういう意味なんだ?"と思いましたが、今では彼の言わんとしていたことが分かるんです。」

(※)実際には80歳。

どういうわけか、スコセッシが紹介した「遅すぎる」という言葉は、Oscarの公式YouTubeチャンネルでアーカイブされている黒澤のスピーチには出てこない。むしろ、「私はこれからも、映画という素晴らしいものを掴むために全力を尽くすつもりです」という前向きな内容が語られていた。その一方、黒澤は「私は映画がよく分かっていない。映画というものをまだしっかり掴んでいないような気がするからです」との言葉も残している。

スコセッシは最近、映画祭のトークセッションで「私には、映画がこの先どうなるのかはわからない」と黒澤のスピーチと重なる内容を述べた。ここでも「私はもう年寄りです」と語りながら、若者に向けて「自分たちを取り巻く世界を別のかたちで見ることになるでしょう」と伝えていた。

1990年のスピーチ後、黒澤は宣言通り映画を作り続けた。そして、スコセッシも今後は新作のプロジェクトを複数控え、映画を作り続ける意向だ。にもかかわらず、スコセッシが「もう遅い」と繰り返し語るのは、すでに映画業界のこれからを次世代に託しているからなのかもしれない。

2025年4月29日火曜日

「聖地巡礼」大ヒット劇場版「名探偵コナン」 信州が舞台!国立天文台野辺山宇宙電波観測所や長野県庁に連日多くのファン(NBS長野放送) - Yahoo!ニュース

「聖地巡礼」大ヒット劇場版「名探偵コナン」 信州が舞台!国立天文台野辺山宇宙電波観測所や長野県庁に連日多くのファン(NBS長野放送) - Yahoo!ニュース

「聖地巡礼」大ヒット劇場版「名探偵コナン」 信州が舞台!国立天文台野辺山宇宙電波観測所や長野県庁に連日多くのファン

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George Lucas details his ideal society

George Lucas details his ideal society

ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ」の前日譚が未来をどのように予測したか

How George Lucas' 'Star Wars' Prequels Predicted the Future
In one podcast interview, Lucas cited having observed Richard Nixon during the Vietnam era as inspiration, which "got me to thinking about how democracies turn into dictatorships — not how they're taken over … but how the democracy turns itself over to a tyrant."
https://www.thewrap.com/george-lucas-star-wars-prequels-trump-trade-wars/

How George Lucas' 'Star Wars' Prequels Unexpectedly Saw the Future

Star Wars: Episode III – Revenge of the Sith,
A scene from "Star Wars: Episode III – Revenge of the Sith" (Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved)

Critics weren't kind when the "Star Wars" prequel trilogy first hit theaters, deriding not just the silliness of Jar Jar Binks but a plot that constructed a science-fiction epic around, of all things, an intergalactic trade dispute and the political mechanics of a republic imploding from within.

Yet as the 20th anniversary of climactic chapter "Revenge of the Sith" nears (marked by its return to theaters), those aspects resonate differently amid President Donald Trump's tariff-induced trade crisis and rising authoritarianism — cause to wonder whether everyone owes George Lucas an apology for turning "Star Wars" into "Trade Wars."

Despite their flaws, parts of the trilogy now seem unnervingly prescient. In writing and directing the films, Lucas drew upon history in crafting the Republic's fall and the rise of Emperor Palpatine, who manipulated the Senate to essentially hand him power.

As he stated in subsequent interviews, Lucas saw the origins of that less in the military coups that defined banana republics of the 20th century and more in terms of ceding control to dictators in ancient Rome and after the French Revolution.

In one podcast interview, Lucas cited having observed Richard Nixon during the Vietnam era as inspiration, which "got me to thinking about how democracies turn into dictatorships — not how they're taken over … but how the democracy turns itself over to a tyrant."

Lucas acknowledged that people weren't particularly enthusiastic about the trade war concept, but defended the decision. "That's how wars start," he said — with corruption leading to disruption that makes people vulnerable to the appeal of strongmen.

That cascading series of events is identified directly in "Revenge of the Sith." As Palpatine declares himself emperor in the name of "a safe and secure society," Senator Padmé Amidala muses aloud, "So this is how liberty dies. With thunderous applause."

Natalie Portman, Star Wars: Episode III – Revenge of the Sith
Natalie Portman as Padmé Amidala in "Star Wars: Episode III – Revenge of the Sith." (Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved/Alamy)

"There's no coup, there's no rebellion, there's no nothing," the Lucasfilm founder told the Star Wars Archives in 2020. "They vote it in, which is what happens in real life."

The parallels haven't been lost on Cass R. Sunstein, a former Obama administration official who founded Harvard Law School's program on behavioral economics and public policy and currently serves as the Robert Walmsley University Professor at Harvard.

A decade ago, Sunstein donned an academic hat to write "The World According to Star Wars," a book that wed his fondness for the movies with his political knowledge, exploring what the films can teach us about freedom, law, economics and political uprisings.

Labeling the prequels "wildly underrated," Sunstein acknowledged certain shortcomings in the movies — from clunky dialogue to Lucas' admitted issues working with actors — while noting that the thematic elements "captured something that's incredibly astute."

"We do owe him an apology for neglecting the sheer amount of work he put into the narrative, which drew on a lot of labored research on his part on how democracies fall," Sunstein told TheWrap. "It wasn't casual or off hand or dumb. It was based on research."

Specifically, Lucas zeroed in on corporate corruption and political dysfunction, and the threat that poses to democracy, paving the way for someone like Trump to portray themselves as an "I alone can fix it" savior.

Lucas "completely gets not only that the causes of democracy's fall might be economic, but he also gets the sense that when nothing's working, we need a strong figure that can do what needs to be done," Sunstein said.

"How did George Lucas of all people see this one coming?"

In the weeks since Trump began to actually pursue his tariff agenda, others have wondered aloud about Lucas having seen the future, with headlines like "How 'The Phantom Menace's' Trade Wars Can Help You Understand Our Political Moment" and "Trade Wars, Episode I: The Phantom Menace" in The Guardian and National Review, respectively — the latter of which asked, "How did George Lucas of all people see this one coming?"

As the Guardian's Betsy Reed put it, "The more you ignore the terrible parts of the film (and believe me, there are lots of terrible parts), the more parallels with our own terrible time become apparent," comparing the Trade Federation to tech CEOs bending the knee to Trump.

Lucas couldn't be reached, but according to the just-released second season of "Light & Magic," Disney+'s docuseries on visual effects powerhouse ILM, both he and crew members maintain he took the negative"Phantom Menace" reviews in stride.

"You're in the movie business," Lucas recalls telling Jar Jar Binks actor Ahmed Best in an interview for the series, adding that "80% of the people in the movie business get trashed, personally, in very, very destructive ways."

Lucas concedes when making the films he was "obsessed" with demonstrating that digital filmmaking represented the future, which helps explain the indifferent approach to actors and dialogue. But he also states that critics misjudged a movie whose audience "consists primarily of 12 year olds" — reiterating a point he made last year at the Cannes Film Festival. Associates remember him saying the film would be viewed more favorably in 20 years.

That seems true, at least to a point, not necessarily because the 12 years olds who enjoyed Jar Jar then (unlike most of their parents) might be worrying about mortgages and tariffs now. 

Lucas is a pretty erudite fellow, and got his start trafficking in a brainier, dystopian brand of science fiction, partly out of necessity, with his directorial debut "THX-1138" in 1971. He also clearly harbors mixed feelings about massive corporations like Disney, which bought Lucasfilm from him for $4 billion.

In 2015, he referred to having sold out to "white slavers" before later apologizing, and he publicly expressed support for Disney CEO Bob Iger in the face of last year's proxy battle.

George Lucas with Disney CEO Bob Iger at Star Wars: Galaxy's Edge at Disneyland in 2019. (Richard Harbaugh/ Disneyland Resort)

As noted, Sunstein's book was also published around that time, meaning he wrote it before the words "President Trump" became a reality.

"When I was doing the book in 2015, I didn't think the United States was at risk," he said.

Within a few years, though, Sunstein's attention turned to darker scenarios, prompting him to write a 2018 New York Review of Books piece headlined, "It Can Happen Here," which explored the factors behind Hitler's rise in relation to modern times.

Citing the fear that has caused institutions, from major law firms to universities, to bow to Trump's demands (Harvard being a notable exception), Sunstein suggested there's a sense that those inclined to resist might not have the resources to effectively do so.

"I see that in the academy," he said. "People are scared. I'm scared."

It's no accident, perhaps, that the best of the "Star Wars" movies, "The Empire Strikes Back," zeroes in on a moment when the Empire appears overpowering, and the rebels are on their heels. While the ultimate message of "Star Wars" is much more reassuring, and the good guys eventually triumph to the soaring strains of John Williams' score, there's no certainty of that in our galaxy.

"I don't feel as confident now as I did then," Sunstein said. "What is going to emerge from now is very unclear, but it is much more concerning than it was in 2017, '18, or '20."

How George Lucas’ ‘Star Wars’ Prequels Predicted the Future

How George Lucas' 'Star Wars' Prequels Predicted the Future

How George Lucas' 'Star Wars' Prequels Unexpectedly Saw the Future

Star Wars: Episode III – Revenge of the Sith,
A scene from "Star Wars: Episode III – Revenge of the Sith" (Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved)

Critics weren't kind when the "Star Wars" prequel trilogy first hit theaters, deriding not just the silliness of Jar Jar Binks but a plot that constructed a science-fiction epic around, of all things, an intergalactic trade dispute and the political mechanics of a republic imploding from within.

Yet as the 20th anniversary of climactic chapter "Revenge of the Sith" nears (marked by its return to theaters), those aspects resonate differently amid President Donald Trump's tariff-induced trade crisis and rising authoritarianism — cause to wonder whether everyone owes George Lucas an apology for turning "Star Wars" into "Trade Wars."

Despite their flaws, parts of the trilogy now seem unnervingly prescient. In writing and directing the films, Lucas drew upon history in crafting the Republic's fall and the rise of Emperor Palpatine, who manipulated the Senate to essentially hand him power.

As he stated in subsequent interviews, Lucas saw the origins of that less in the military coups that defined banana republics of the 20th century and more in terms of ceding control to dictators in ancient Rome and after the French Revolution.

In one podcast interview, Lucas cited having observed Richard Nixon during the Vietnam era as inspiration, which "got me to thinking about how democracies turn into dictatorships — not how they're taken over … but how the democracy turns itself over to a tyrant."

Lucas acknowledged that people weren't particularly enthusiastic about the trade war concept, but defended the decision. "That's how wars start," he said — with corruption leading to disruption that makes people vulnerable to the appeal of strongmen.

That cascading series of events is identified directly in "Revenge of the Sith." As Palpatine declares himself emperor in the name of "a safe and secure society," Senator Padmé Amidala muses aloud, "So this is how liberty dies. With thunderous applause."

Natalie Portman, Star Wars: Episode III – Revenge of the Sith
Natalie Portman as Padmé Amidala in "Star Wars: Episode III – Revenge of the Sith." (Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved/Alamy)

"There's no coup, there's no rebellion, there's no nothing," the Lucasfilm founder told the Star Wars Archives in 2020. "They vote it in, which is what happens in real life."

The parallels haven't been lost on Cass R. Sunstein, a former Obama administration official who founded Harvard Law School's program on behavioral economics and public policy and currently serves as the Robert Walmsley University Professor at Harvard.

A decade ago, Sunstein donned an academic hat to write "The World According to Star Wars," a book that wed his fondness for the movies with his political knowledge, exploring what the films can teach us about freedom, law, economics and political uprisings.

Labeling the prequels "wildly underrated," Sunstein acknowledged certain shortcomings in the movies — from clunky dialogue to Lucas' admitted issues working with actors — while noting that the thematic elements "captured something that's incredibly astute."

"We do owe him an apology for neglecting the sheer amount of work he put into the narrative, which drew on a lot of labored research on his part on how democracies fall," Sunstein told TheWrap. "It wasn't casual or off hand or dumb. It was based on research."

Specifically, Lucas zeroed in on corporate corruption and political dysfunction, and the threat that poses to democracy, paving the way for someone like Trump to portray themselves as an "I alone can fix it" savior.

Lucas "completely gets not only that the causes of democracy's fall might be economic, but he also gets the sense that when nothing's working, we need a strong figure that can do what needs to be done," Sunstein said.

"How did George Lucas of all people see this one coming?"

In the weeks since Trump began to actually pursue his tariff agenda, others have wondered aloud about Lucas having seen the future, with headlines like "How 'The Phantom Menace's' Trade Wars Can Help You Understand Our Political Moment" and "Trade Wars, Episode I: The Phantom Menace" in The Guardian and National Review, respectively — the latter of which asked, "How did George Lucas of all people see this one coming?"

As the Guardian's Betsy Reed put it, "The more you ignore the terrible parts of the film (and believe me, there are lots of terrible parts), the more parallels with our own terrible time become apparent," comparing the Trade Federation to tech CEOs bending the knee to Trump.

Lucas couldn't be reached, but according to the just-released second season of "Light & Magic," Disney+'s docuseries on visual effects powerhouse ILM, both he and crew members maintain he took the negative"Phantom Menace" reviews in stride.

"You're in the movie business," Lucas recalls telling Jar Jar Binks actor Ahmed Best in an interview for the series, adding that "80% of the people in the movie business get trashed, personally, in very, very destructive ways."

Lucas concedes when making the films he was "obsessed" with demonstrating that digital filmmaking represented the future, which helps explain the indifferent approach to actors and dialogue. But he also states that critics misjudged a movie whose audience "consists primarily of 12 year olds" — reiterating a point he made last year at the Cannes Film Festival. Associates remember him saying the film would be viewed more favorably in 20 years.

That seems true, at least to a point, not necessarily because the 12 years olds who enjoyed Jar Jar then (unlike most of their parents) might be worrying about mortgages and tariffs now. 

Lucas is a pretty erudite fellow, and got his start trafficking in a brainier, dystopian brand of science fiction, partly out of necessity, with his directorial debut "THX-1138" in 1971. He also clearly harbors mixed feelings about massive corporations like Disney, which bought Lucasfilm from him for $4 billion.

In 2015, he referred to having sold out to "white slavers" before later apologizing, and he publicly expressed support for Disney CEO Bob Iger in the face of last year's proxy battle.

George Lucas with Disney CEO Bob Iger at Star Wars: Galaxy's Edge at Disneyland in 2019. (Richard Harbaugh/ Disneyland Resort)

As noted, Sunstein's book was also published around that time, meaning he wrote it before the words "President Trump" became a reality.

"When I was doing the book in 2015, I didn't think the United States was at risk," he said.

Within a few years, though, Sunstein's attention turned to darker scenarios, prompting him to write a 2018 New York Review of Books piece headlined, "It Can Happen Here," which explored the factors behind Hitler's rise in relation to modern times.

Citing the fear that has caused institutions, from major law firms to universities, to bow to Trump's demands (Harvard being a notable exception), Sunstein suggested there's a sense that those inclined to resist might not have the resources to effectively do so.

"I see that in the academy," he said. "People are scared. I'm scared."

It's no accident, perhaps, that the best of the "Star Wars" movies, "The Empire Strikes Back," zeroes in on a moment when the Empire appears overpowering, and the rebels are on their heels. While the ultimate message of "Star Wars" is much more reassuring, and the good guys eventually triumph to the soaring strains of John Williams' score, there's no certainty of that in our galaxy.

"I don't feel as confident now as I did then," Sunstein said. "What is going to emerge from now is very unclear, but it is much more concerning than it was in 2017, '18, or '20."

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