喜多川歌麿「ポッピンを吹く娘」 初期作品 国内で発見
江戸時代の浮世絵師 喜多川歌麿の版画「ポッピンを吹く娘」のうち、これまで海外にしか現存していないとされていた初期に刷られた作品が、国内にも残されていることがわかりました。

「ポッピンを吹く娘」は東京国立博物館が所蔵するものなど、数点が現存する版画で、美人画を得意とする喜多川歌麿の代表作の1つです。
先月から東京国立博物館で始まった特別展に、「ポッピンを吹く娘」が展示されているのを知った都内の美術商から、同じ作品があるという連絡が博物館に寄せられ、調査したところ本物だとわかったということです。

作品の題名部分には、東京国立博物館が所蔵する「婦女人相十品」ではなく、「婦人相学十躰」と書かれていることから、より古い初期に刷られたものだと判断したということです。
初期に刷られた作品は、ほかにハワイのホノルル美術館が所蔵するものがあります。
今回の作品は、40年余り前にフランスでオークションに出品されたあと、所在が分からなくなっていましたが、国内にあることがわかり、女性の服の色が鮮やかに残っていて保存状態も非常によいということです。
調査した東京国立博物館の村瀬可奈研究員は「輪郭線のシャープさや色使いなども確認でき、作品をより深く研究するにあたっても重要な発見だ」と話していました。

今回見つかった「ポッピンを吹く娘」は東京国立博物館で開かれている特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」で、今月20日から展示されます。
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