2025年3月4日火曜日

「ターン・ターン・ターン(Turn! Turn! Turn! (To Everything There Is a Season))」バーズ(The Byrds)(1965) - まいにちポップス(My Niche Pops)

「ターン・ターン・ターン(Turn! Turn! Turn! (To Everything There Is a Season))」バーズ(The Byrds)(1965) - まいにちポップス(My Niche Pops)

「ターン・ターン・ターン(Turn! Turn! Turn! (To Everything There Is a Season))」バーズ(The Byrds)(1965)

 おはようございます。今日もバーズ、「ターン・ターン・ターン」です。

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To everything (Turn, turn, turn)
There is a season (Turn, turn, turn)
And a time to every purpose under heaven

A time to be born, a time to die
A time to plant, a time to reap
A time to kill, a time to heal
A time to laugh, a time to weep

To everything (Turn, turn, turn)
There is a season (Turn, turn, turn)
And a time to every purpose under heaven

A time to build up, a time to break down
A time to dance, a time to mourn
A time to cast away stones
A time to gather stones together

To everything (Turn, turn, turn)
There is a season (Turn, turn, turn)
And a time to every purpose under heaven

A time of love, a time of hate
A time of war, a time of peace
A time you may embrace
A time to refrain from embracing

To everything (Turn, turn, turn)
There is a season (Turn, turn, turn)
And a time to every purpose under heaven

A time to gain, a time to lose
A time to rend, a time to sew
A time for love, a time for hate
A time for peace, I swear it's not too late

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あらゆるものには(変わる、変わる、変わる)
季節がある(巡る、巡る、巡る)
そして天の下ではあらゆる目的のための時がある

生まれる時、死ぬ時
植える時、刈り取る時
殺す時、癒す時
笑う時、泣く時

あらゆるものには(変わる、変わる、変わる)
季節がある(巡る、巡る、巡る)
そして天の下ではあらゆる目的のための時がある

築く時、壊す時
踊る時、悲しむ時
石を投げ捨てる時
石を集める時

あらゆるものには(変わる、変わる、変わる)
季節がある(巡る、巡る、巡る)
そして天の下ではあらゆる目的のための時がある

愛の時、憎しみの時
戦争の時、平和の時
抱きしめる時
抱きしめない時

あらゆるものには(変わる、変わる、変わる)
季節がある(巡る、巡る、巡る)
そして天の下ではあらゆる目的のための時がある

得る時、失う時
裂く時、縫う時
愛の時、憎しみの時
平和の時、誓って言うが遅すぎることはない

              (拙訳)

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バーズ「ターン・ターン・ターン(Turn! Turn! Turn! (To Everything There Is a Season))」ヤマハぷりんと楽譜

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 さて、ボブ・ディランフォークソングを見事なロック・バンド・サウンドにしたデビュー曲「ミスター・タンブリン・マン」がいきなり全米1位の大ヒットになった彼らの次のシングルもボブ・ディランのカバーでした。「All I Really Want To Do」。二匹目のドジョウってヤツですね。

 バーズはこの曲をレコーディング前にライヴでやっていたようで、それを観ていたシェールが自分も「All I Really Want To Do」をカバーしようと思い立ったようです。その情報をゲットしたバーズのレコード会社はメンバーに、おまえらも急いでレコーディングしろとせっついたと言われています。

「All I Really Want To Do」

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 こちらがディランのオリジナル。

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 こちらがバーズより少し早くリリースされたシェールのヴァージョン。プロデュースはソニー&シェールというコンビの相方のソニー・ボノ。彼はフィル・スペクターのもとにいたので、ちょっとウォール・オブ・サウンドの入った仕上がりです。

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 結果としてバーズが全米40位、シェールが15位と彼女に軍配が上がりました(イギリスではバーズの方が売れました)。 

 ロジャー・マッギンはこう語っています。

「私が最も驚いたのは、ディランが私に近づいてきて、「彼らに負けたな」と言ったことです。彼は私に対する信頼を失い、打ちひしがれていました。彼の曲が歪められてしまったのです。私たちは彼の音楽の守り手であり、保護者であったはずなのに、ソニーとシェールにやられてしまったのです」(The Byrds: Timeless Flight Revisited (2nd ed.)

 なかなか辛い話ですね。。

 とうの昔に結果が出た話をああだこうだ言ってもしょうがないのですが、確かにバーズのカバーには「ミスター・タンブリン・マン」のような斬新さは感じられないような気がします。せかされて作ったからでしょうか。。。

 そして、バーズの次のシングルになったのが「ターン・ターン・ターン」。オリジナルはアメリカを代表するフォーク・シンガー、ピート・シーガーです。これは彼が旧約聖書の『コヘレトの言葉』第3章をもとにして書いた楽曲で、その中の言葉がかなりの割合で含まれています。

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ネットを見ると歌詞でも使われている聖書の冒頭の

To every thing there is a season, and a time to every purpose under the heaven:は

何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時があ

 と訳されています。

 そして、最後のTime For Peace(平和の時)の後に、シーガーは I swear it's not too late(誓って言うが遅すぎることはない)と付け足しています。

 聖書を引用しながら、今こそ、平和の時だ、ということを強調するような構成になっています。

 何より聖書になかったターン・ターン・ターン(Turn Turn Turn)という言葉が付け加えられていることがとても重要です。音楽的にも一番耳に残りますし、everythingとseasonという言葉の後につくことで、万物は変わり、季節は移りゆく、という意味が付け加えられます。

 ちなみにこの曲はシーガーではなく、1962年にライムライターズというフォーク・グループが最初にレコーディングしています。ライムライターズはロジャー・マッギンが高校を出てプロとして初めてサポートしたバンドでした。

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 実は「ターン・ターン・ターン」は1964年にジュディ・コリンズもカバーしていて、ロジャー・マッギンがバックを務めていたんです。

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 ちなみに、この曲をバーズでカバーするというのはロジャー・マッギンの後の奥さんのリクエストだったという記述がWikipediaにありました。本当だとしたら、ナイス・アシストですね。

 彼らのマネージャーのジム・ディクソンは、次もディランのカバーで「'It's All Over Now, Baby Blue」を推したそうですが、プロデューサーのテリー・メルチャーが「ターン・ターン・ターン」を気に入って、先にプロモ盤をラジオ局に配ったら火がついたそうで、結果として「ミスター・タンブリンマン」に続く彼らにとって2曲目の全米NO.1ヒットになっています。

 あらためて聴き比べると、バーズのカバーはやっぱりアレンジがいいですよね。それから、ターン、ターン、ターンというフレーズがコーラスにまわったことにより、一層効果的になっているんじゃないかと僕は思いました。もはやカバーというより、この曲はこう着地すべきというところに落ち着いたとすら思えます。

 ちなみに、ロジャー・マッギンもこの曲のギターをいたく気に入っているようで、インタビューで"もし神様から死ぬ前に1曲歌うか弾いていいと言われたら何を選ぶか?という問いに対して「ターン・ターン・ターン」を12弦のリッケンバッカーで弾く、と答えたそうです。

 彼にとっても"一世一代"の演奏だったんですね。

 最後はエド・サリバン・ショーでの彼らのパフォーマンス映像(1965年12月)を。

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