2025年6月29日日曜日

【和訳/曲解説】Bob Dylan-A Hard Rain's A-Gonna Fall/はげしい雨が降る【洋楽1962年】 - 洋楽和訳/曲紹介ブログ

【和訳/曲解説】Bob Dylan-A Hard Rain's A-Gonna Fall/はげしい雨が降る【洋楽1962年】 - 洋楽和訳/曲紹介ブログ

【和訳/曲解説】Bob Dylan-A Hard Rain's A-Gonna Fall/はげしい雨が降る【洋楽1962年】

本サイトはアフェリエイト広告を利用しています。

ボブ・ディラン - 「A Hard Rain's a-Gonna Fall」徹底解説

「A Hard Rain's a-Gonna Fall」は、ボブ・ディランが1962年に作詞・作曲し、1963年にアルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』に収録された楽曲です。この作品は、ディランのプロテストソングとして、戦争、環境破壊、社会不正といったテーマを寓話的かつ象徴的に描き出し、60年代の激動の時代を映し出す名作として知られています。ここでは、その背景、メッセージ、音楽的特徴、そして歴史的影響について徹底解説します。

この曲はピーター・ポール&マリーのカバーが世界的にヒットして、作者のディランを一躍有名にした。1960年代のアメリカ公民権運動*1の賛歌とも呼ばれ、現在に至るまでディランの作中最も愛唱されることの多い歌曲となっている。
wikipediaより)

もしよかったら、どうしてこの曲の和訳を知りたくなったのか?和訳以外にこの曲やボブ・ディランに関して知りたいことなどがあればコメントで教えて下さいm(_ _)m
皆さんが気になってることを知って記事を作っていきたいです。


www.youtube.com

  • 和訳
  • この曲の和訳を知りたい人におすすめの曲
  • 1. 楽曲概要
  • 2. 楽曲の特徴とメッセージ
    • ● 詩的で象徴的な歌詞
    • ● 社会的・政治的メッセージ
  • 3. 音楽的特徴とアレンジ
    • ● シンプルながら力強いアコースティックサウンド
    • ● 質問と回答の形式
  • 4. 制作秘話と背景
    • ● 制作背景とインスピレーション
    • ● バラッド形式の選択
  • 5. 時代背景と文化的影響
    • ● 1960年代の社会状況
    • ● ディランの役割
  • 6. 雑学・トリビア
  • 7. まとめ

和訳

Oh, where have you been, my blue-eyed son?
And where have you been, my darling young one?

ああ、どこに行っていたんだい、僕の青い瞳の息子よ?
どこに行っていたんだい、僕の愛しい若者よ?

blue-eyed son: 青い瞳の息子
darling: 愛しい人、かわいい人
young one: 若者

白人である若者、自分の子どもがどこにいって戻ってきたのか?
その間なにをしてたのかを問いただしてるように聞こえます。
アメリ公民権問題から考えるにお前はアフリカ系アメリカ人のところで
いってきて何をしてきんたんだと問うてるのではないかと僕は解釈しました。

I've stumbled on the side of 12 misty mountains
I've walked and I crawled on six crooked highways
I've stepped in the middle of seven sad forests
I've been out in front of a dozen dead oceans
I've been 10,000 miles in the mouth of a graveyard

僕は12の霧に包まれた山々の側をよろめき歩いた
6つの曲がりくねった道を歩き、這いずり回った
7つの悲しい森の中を進んだ
いくつもの死んだ海の前に立った
10,000マイルも墓地の入り口をさまよった

stumbled: よろめく、つまずく
misty mountains: 霧に包まれた山々
crooked highways: 曲がりくねった道
stepped: 踏み入れる
dead oceans: 死んだ海
graveyard: 墓地

And it's a hard, it's a hard
It's a hard, it's a hard
It's a hard rain's a-gonna fall

とても厳しい、とても厳しい
とても厳しい、とても厳しい
とても激しい雨が降るだろう

hard: 厳しい、激しい
rain's a-gonna fall: 雨が降るだろう(詩的な表現)

Oh, what did you see, my blue-eyed son?
And what did you see, my darling young one?

ああ、どこに行っていたんだい、僕の青い瞳の息子よ?
どこに行っていたんだい、僕の愛しい若者よ?

I saw a newborn baby with wild wolves all around it
I saw a highway of diamonds with nobody on it
I saw a black branch with blood that kept drippin'
I saw a room full of men with their hammers a-bleedin'
I saw a white ladder all covered with water
I saw 10,000 talkers whose tongues were all broken
I saw guns and sharp swords in the hands of young children

僕は新生児がいて、その周りを野生の狼たちが取り囲んでいるのを見た
ダイヤモンドの高速道路を見たが、誰もそこにはいなかった
黒い枝から血が滴り続けているのを見た
ハンマーが血まみれになった男たちで満たされた部屋を見た
水に覆われた白い梯子を見た
10,000人の話し手たちが、全員言葉を失っているのを見た
子供たちの手に銃や鋭い剣が握られているのを見た

newborn baby: 新生児
wild wolves: 野生の狼
branch: 枝
dripping: 滴る
room full of men: 男たちで満たされた部屋
hammers: ハンマー
tongues: 舌、言葉
sharp swords: 鋭い剣

And it's a hard, it's a hard
It's a hard, and it's a hard
It's a hard rain's a-gonna fall

とても厳しい、とても厳しい
とても厳しい、とても厳しい
とても激しい雨が降るだろう

And what did you hear, my blue-eyed son?
And what did you hear, my darling young one?

ああ、どこに行っていたんだい、僕の青い瞳の息子よ?
どこに行っていたんだい、僕の愛しい若者よ?

I heard the sound of the thunder that roared out a warning
I heard the roar of a wave that could drown the whole world
I heard one hundred drummers whose hands were a-blazin'
I heard 10,000 whisperin' and nobody listenin'
I heard one person starve, I heard many people laughin'
I heard the song of a poet who died in the gutter
I heard the sound of a clown who cried in the alley

僕は雷鳴が轟き、警告の声を聞いた
世界を丸ごと飲み込んでしまいそうな波の轟き声を聞いた
手が燃え盛る100人のドラマーたちの音を聞いた
10,000人がささやいていたが、誰も耳を傾けていなかった
一人が飢えている声を聞き、多くの人々が笑っている声を聞いた
路地で死んだ詩人の歌を聞いた
路地裏で泣いている道化師の声を聞いた

thunder: 雷
roar: 轟き、咆哮
wave: 波
drown: 溺れる、沈める
drummers: ドラマー
starve: 飢える
gutter: 路地、どん底
clown: 道化師
alley: 路地裏

And it's a hard, it's a hard
It's a hard, it's a hard
It's a hard rain's a-gonna fall

とても厳しい、とても厳しい
とても厳しい、とても厳しい
とても激しい雨が降るだろう

Oh, what did you meet, my blue-eyed son?
And who did you meet, my darling young one?

ああ、どこに行っていたんだい、僕の青い瞳の息子よ?
どこに行っていたんだい、僕の愛しい若者よ?

I met a young child beside a dead pony
I met a white man who walked a black dog
I met a young woman, her body was burning
I met a young girl, she gave me a rainbow
I met one man who was wounded in love
I met another man who was wounded in hatred

僕は死んだポニーのそばにいる幼い子供に会った
白い男が黒い犬を連れて歩いているのに会った
若い女性に会ったが、彼女の体は燃えていた
若い少女に会った、彼女は僕に虹をくれた
愛に傷ついた男に会った
憎しみに傷ついた別の男に会った

burning: 燃えている
wounded: 傷ついた
rainbow: 虹

And it's a hard, it's a hard
It's a hard, it's a hard
It's a hard rain's a-gonna fall

とても厳しい、とても厳しい
とても厳しい、とても厳しい
とても激しい雨が降るだろう

And what'll you do now, my blue-eyed son?
And what'll you do now, my darling young one?

ああ、どこに行っていたんだい、僕の青い瞳の息子よ?
どこに行っていたんだい、僕の愛しい若者よ?

I'm a-goin' back out 'fore the rain starts a-fallin'
I'll walk to the depths of the deepest dark forest
Where the people are many and their hands are all empty
Where the pellets of poison are flooding their waters
Where their home in the valley meets the damp dirty prison
And the executioner's face is always well-hidden

雨が降り出す前に、僕はまた外に出る
そして、暗くて深い森の奥深くまで歩いて行く
そこには多くの人々がいるが、彼らの手は皆、空っぽなんだ
毒の粒が彼らの水を満たし、汚染している
彼らの谷にある家は、湿った汚い監獄と繋がっている
そして処刑人の顔は常にしっかりと隠されている

depths: 奥深く、深み
pellets of poison: 毒の粒
damp: 湿った
executioner: 処刑人
well-hidden: しっかり隠されている

Where hunger is ugly, where the souls are forgotten
Where black is the colour, where none is the number
And I'll tell it and speak it, and think it and breathe it
And reflect from the mountains, so all souls can see it
And I'll stand on the ocean until I start sinkin'
But I'll know my song well before I start singing

飢えが醜く、魂が忘れ去られた場所
黒が唯一の色で、何もないことがすべてを意味する場所
僕はそれを語り、伝え、考え、そして呼吸する
そして山々から反響させ、すべての魂がそれを見られるようにする
僕は海の上に立ち、沈み始めるまでそこに立ち続ける
でも、歌い始める前に自分の歌をしっかりと理解しているんだ

hunger: 飢え
souls: 魂
reflect: 反響させる、反射させる
sinkin' (sinking): 沈む
song: 歌(ここでは、信念や使命の象徴)

"black is the colour, where none is the number": 絶望や無意味さを象徴する表現で、「黒」が唯一の色であり、「無」がすべてを表す世界

And it's a hard, it's a hard
It's a hard, and it's a hard
It's a hard rain's a-gonna fall

とても厳しい、とても厳しい
とても厳しい、とても厳しい
とても激しい雨が降るだろう

この曲の和訳を知りたい人におすすめの曲

ボブ・ディランのおすすめ曲5選

  1. "Blowin' in the Wind"

    • 平和と自由を問いかけるプロテストソングで、ディランの代表作の一つです。

      dontlookback.hateblo.jpnormal

  2. "The Times They Are A-Changin'"

  3. "Masters of War"

    • 戦争を推進する権力者たちへの強い批判を込めた楽曲です。

      dontlookback.hateblo.jpnormal

  4. "Subterranean Homesick Blues"

  5. "Mr. Tambourine Man"

    • 夢幻的な歌詞とメロディが印象的な楽曲で、多くのアーティストにカバーされています。

      dontlookback.hateblo.jpnormal

ボブ・ディラン以外のおすすめ曲5選

  1. "Where Have All the Flowers Gone" - ピート・シーガー

  2. "What's Going On" - マーヴィン・ゲイ

  3. "Imagine" - ジョン・レノン

    • 理想の世界を描いた楽曲で、平和の象徴として広く知られています。

      dontlookback.hateblo.jpnormal

  4. "Fortunate Son" - クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル

  5. "Ohio" - クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング


1. 楽曲概要

  • 曲名: A Hard Rain's a-Gonna Fall
  • アーティスト: Bob Dylan
  • 作詞・作曲: Bob Dylan
  • リリース年: 1963年
  • 収録アルバム: 『フリーホイーリン・ボブ・ディラン
  • ジャンル: フォーク

この楽曲は、伝統的なフォークバラッド「Lord Randall」の形式を踏襲しながら、質問と回答のスタイルで進行します。ディランの鋭い観察眼と詩的な表現力が存分に発揮され、社会の暗部や人間の苦悩を象徴的に描いています。

楽天ROOMでレコードやTシャツも紹介してます

おすすめレコード

https://room.rakuten.co.jp/room_45f8b947b8/1800010515436571

おすすめバンドTシャツ

https://room.rakuten.co.jp/room_45f8b947b8/1800010946055209

教養・自己啓発本コレクション

https://room.rakuten.co.jp/room_45f8b947b8/1800010993693123


楽天ROOMでお家で映画を楽しむプロジェクターの紹介や洋楽レコード
その他雑貨の紹介をしています!
下をクリック!

アバちゃ🍵 のROOM - 欲しい! に出会える。


2. 楽曲の特徴とメッセージ

● 詩的で象徴的な歌詞

「A Hard Rain's a-Gonna Fall」は、繰り返される質問と回答の形式で、世界中で起こる不正や悲劇を次々と描写しています。各節で提示されるイメージは、戦争、環境破壊、社会的不正義など、さまざまな問題を暗示し、リスナーに深い思索を促します。

  • : 「大雨(Hard Rain)」は、一見すると自然現象ですが、実際には変革や浄化、そして破壊の象徴として解釈されることが多いです。

● 社会的・政治的メッセージ

この曲は、1960年代におけるアメリカの公民権運動、ベトナム戦争、そして冷戦下での核戦争の不安といった、時代を象徴する社会問題に直接的なメッセージを投げかけています。ディランは、単に現状を嘆くだけでなく、未来に向けた変革の可能性も感じさせる、複雑な感情を表現しています。


3. 音楽的特徴とアレンジ

● シンプルながら力強いアコースティックサウンド

「A Hard Rain's a-Gonna Fall」は、フォークギターと軽快なリズムを基調としながらも、ディランの歌詞と相まって深い感情を引き出すシンプルな構成になっています。

  • フォークバラッドの伝統: 古くから伝わるフォークバラッドの形式を用いることで、聴く者に親しみやすさと普遍性を感じさせます。

● 質問と回答の形式

歌詞は、ディランが問いかけるようなフレーズと、それに対する答えが連なっており、一種の対話形式となっています。この構造が、メッセージをより一層強調し、聴く者自身が問いを投げかけるような感覚を生み出します。


4. 制作秘話と背景

● 制作背景とインスピレーション

「A Hard Rain's a-Gonna Fall」は、ディランが1962年に直面した世界の不安や混乱を背景にして生み出された楽曲です。

  • 核戦争や環境破壊: キューバ危機直後の核戦争への恐怖や、社会的不正義が広がる中で、ディランはこれらの問題を寓話的に描き出すためにこの曲を書き上げました。

● バラッド形式の選択

ディランは、スコットランドの伝統的なバラッド「Lord Randall」の形式を採用し、質問と回答の形で歌詞を構築しました。これにより、個々のイメージが連鎖し、全体として壮大な物語性を帯びる作品となっています。


5. 時代背景と文化的影響

● 1960年代の社会状況

1960年代は、アメリカをはじめとする世界各地で公民権運動や反戦運動が盛んだった時代です。

  • 社会の混乱: 政府の政策、核戦争の恐怖、環境破壊など、多くの不安が市民の間に広がっていました。
  • カウンターカルチャーの台頭: 若者たちは既存の価値観に疑問を呈し、自由や変革を求める運動が活発化していました。

● ディランの役割

ボブ・ディランは、その詩的な歌詞と革新的な音楽スタイルで、フォークミュージックを単なる娯楽から社会変革の手段へと昇華させました。

  • 文化的影響: 「A Hard Rain's a-Gonna Fall」は、後にノーベル文学賞受賞の際にもその詩的価値が評価され、多くのアーティストに影響を与えました。

6. 雑学・トリビア

  1. ノーベル文学賞スピーチで引用
    2016年、ディランがノーベル文学賞を受賞した際、この曲の歌詞がスピーチで引用され、彼の詩的才能が再評価されました。

  2. カバー数の多さ
    「A Hard Rain's a-Gonna Fall」は、数多くのアーティストによってカバーされており、ジャンルを超えて多様な解釈が加えられています。

  3. 環境運動やプロテストでの使用
    この曲は、環境問題や戦争反対運動の集会で頻繁に演奏され、社会的メッセージを伝えるアンセムとして愛されています。

  4. 形式の由来
    曲の質問と回答の形式は、古くから伝わるフォークバラッドの手法を用いており、聴く者に物語の連鎖を感じさせる工夫が施されています。

  5. 影響力
    「A Hard Rain's a-Gonna Fall」は、その時代の不安と混乱を象徴する楽曲として、後の多くのプロテストソングに影響を与えました。


7. まとめ

「A Hard Rain's a-Gonna Fall」は、ボブ・ディランが1962年に作詞・作曲し、1963年にリリースされた名作フォークソングです。

  • 社会の不正、戦争、環境破壊など、1960年代の混沌とした時代背景を象徴する楽曲
  • 伝統的なバラッド形式を用いた質問と回答の構造で、深いメッセージと詩的な表現が際立つ
  • ノーベル文学賞スピーチで引用されるなど、文学的価値が認められた作品
  • 世界中の社会運動や環境運動で歌い継がれるアンセムとして、今なお多くの人々に影響を与えている

この曲を聴けば、1960年代の社会情勢や、ボブ・ディランが抱いた普遍的なテーマ—変革、希望、そして人間の儚さ—を感じることができるでしょう。ぜひ、「A Hard Rain's a-Gonna Fall」をじっくりと聴いて、その詩的な世界観に浸ってみてください!

応援よろしくお願いします

当ブログをご覧いただきありがとうございます。
下のバナーをクリックしていただけましたら、励みになります。
ぜひ応援よろしくお願いします。

*1:

アメリ公民権運動とは、1950年代から1960年代にかけて、アフリカ系アメリカ人が人種差別の撤廃と平等な権利の獲得を求めて展開した社会運動です。

この運動の背景には、奴隷制度の廃止後も続いた制度的な差別や「ジム・クロウ法」と呼ばれる人種隔離政策がありました。黒人は学校、交通機関、飲食店などで白人と分けられ、投票権も実質的に制限されていました。

運動の象徴的な出来事には以下のようなものがあります:

この運動は、非暴力を基本としながらも、時に激しい対立や暴動も伴いました。キング牧師のような指導者の存在と、草の根の市民の力が合わさって、アメリカ社会に大きな変革をもたらしました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ケンコバ x 安彦良和 対談

ケンコバ x 安彦良和 対談 youtu.be