北野武が、1983年の映画『メリー・クリスマス Mr.ローレンス』での自身の演技に対する観客の反応を見て、どれほど打ちのめされたかを語る:
「インタビュアー:コメディアンからタフな役柄への転身はどのようにして成し遂げたのですか?
北野:『メリー・クリスマス Mr.ローレンス』(1983年)は、私がコメディアンとして人気の絶頂期にあり、日本中で一躍有名になりつつあった時期に撮られました。でも、スタンダップ・コメディアンとしてこの状況が長く続くとは思っていませんでした。
何か違うことをしなければと分かっていた矢先、大島さんが『メリー・クリスマス Mr.ローレンス』の役をオファーしてくれたのです。演技とは何か、映画制作とはどういうものかも分からないまま、『いいですよ、ぜひ』と答えました。この役で人々を驚かせられるかもしれないと思いました。映画を見てみたら、自分の演技は全然悪くなかったので、観客の反応が楽しみでした。
ある日、彼らの反応を見るためにこっそり劇場に忍び込んだんです。すると、私が登場する最初のシーンで、観客全員が突然大笑いし始めたんです。まるで私がステージに飛び出してルーティンを始めたかのように! その反応に私は打ちのめされました。このキャラクターはとても威圧的で謎めいた存在であるはずで、笑いものなんかじゃないのに!(笑い)
でも、彼らはまだ私をそのおかしな狂ったコメディアンだと見なしていたんです。それ以来、私は深刻で暗く邪悪なキャラクターの役しか受けませんでした。そういう役を10年間演じ続けた末に、ようやく本格的な俳優だと見なされるようになりました。」
(北野武、アレックス・サイモンによるインタビュー、The Hollywood Interview、2001年)
| ||||||||||||||||||||||||
0 件のコメント:
コメントを投稿