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しなきスカーレット』終映前に、大スクリーン最前列で2時間ひたすら登場人物の瞳を追ってみた。
トラウマを負ってからの、王女の不安定に泳ぐ瞳孔は、本作の演出の要。眉はもちろん、まつ毛一本一本にリギングし動かしているのが驚異的。
王女は、必ず必然性を持って視点を動かしている(特に戦闘中!)のだが、落ち着かない瞳の動きの中に、彼女の自我の薄弱さ、疑心暗鬼が表れている。常に何かに追われ、誰かのために行動を強いられている。
聖やキャラバンなど初めて遭遇した人物には、相手の頭から足元まで忙しなく視線が彷徨い、不信感に満ちている。
とても「戦士の鑑」の警戒心ではない。異界で無理をしている19歳の眼だ。
渋谷ダンス幻視・少女とのスカーフ取引から安定し始める。少女をかばうために剣を抜かず飛び出していくが、瞳は安定。
ところが、聖が手を汚してしまったことにショックを受け、口あんぐり、瞳が極度に縮小(1回目)。「大丈夫?」の台詞の意味がやっとわかった。
叔父王の懺悔が偽りだったことが判明した途端、怒りに我を忘れて瞳がまた縮小(2回目)。この時雷鳴が轟き、スカーレット自身も雷で罰される危機が示唆されている。
悩み抜き、「赦し」の意味を悟った後は、急速に瞳が拡大し安定。聖と別れて現世に復活し女王となってからは、潤むことはあっても視線はまったくブレない。生き方が自立し、もう未知にも怯えていない。
聖の視線は、岡田さんの声同様、最初ぼんやりして焦点が合っていないのが、戦闘を経験する度に険しく考え込むようになり、ヴォルティマンド戦では鋭く決意を持ったものとなる。弓1回目(右から)野営1回目(右に座り自問)と、それぞれの2回目(左)とでは、視線も声の演技も全く変わっている。
大いなる門の前で老婆3号の話を聞くとき、ふたりの視線が、独自に、互いを慮る。視線が合うまでのシーケンスがエモい。
コーネリウスとヴォルティマンドのグレーの瞳も彼らの目じりも、大変よく動く。握手を求められた時のヴォルティマンドの瞳と左の目じりの動きが、逡巡を表す。
王女と聖を疑い値踏みしていた視線が、戦闘後は戸惑いに、そこから信頼と尊崇に変わっていく。
クローディアスは、兄王や王女への見下した視線が、マクベス的な怯えや罪悪感に変わっていき、瞳孔はどんどん縮小し、顔ぐりぐりされた後は瞳孔が見えないほどになる。これは現世での薬の作用も表しているのかも。阿片の3徴のひとつだし。
ガートルードは、最後のシーン、扉の隙間から「なぜ…」で「なぜお前が地獄へ落ちない!」の台詞の途中、一瞬で精神状態が崩壊するのがはっきりわかる。視線と表情が顔の左右で一致しなくなる。顔面神経に障害が及んだ描写。
クローディアスと同様、王妃も裁かれないように見えて自ら裁かれていた…。
すごい演出、ありえないほど緻密な作画。2時間近く瞳を追うだけで、ここまで得られるとは…。
これ配信で確かめるの難しいかも。HD画質じゃ足りんだろ…。
#果てしなきスカーレットの好きなところ選手権
#果てしなきスカーレット
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