La javanaise Serge Gainsbourg
Serge Gainsbourgの「La javanaise」は1963年にリリースされました。直訳するのが困難な、ゲンズブールお得意の言葉遊びが使われたタイトルです。翻訳は私的感情が入り、翻訳の一人称をあえて女性である「私」にしましたが、不自然ではないはずです。その理由も含めて解説してみましょう。
J'avoue, j'en ai bavé, pas vous, mon amour
Avant d'avoir eu vent de vous, mon amour
Ne vous déplaise
En dansant la javanaise
Nous nous aimions
Le temps d'une chanson
正直に言うわ、私はずいぶん苦労したの
あなたは違ったでしょう、愛しい人
あなたのことを知る前はね
お気に召さなくてもいいけれど
ジャヴァネーズを踊りながら
私たちは愛し合っていた
たった一曲のあいだだけ
À votre avis, qu'avons-nous vu de l'amour?
De vous à moi, vous m'avez eu, mon amour
Ne vous déplaise
En dansant la javanaise
Nous nous aimions
Le temps d'une chanson
どう思う?私たちは愛の何を知っていたのかしら
あなたから私へ――私はあなたに夢中になってしまったの
お気に召さなくてもいいけれど
ジャヴァネーズを踊りながら
私たちは愛し合っていた
たった一曲のあいだだけ
Hélas, avril, en vain, me voue à l'amour
J'avais envie de voir en vous cet amour
Ne vous déplaise
En dansant la javanaise
Nous nous aimions
Le temps d'une chanson
ああ、4月はむなしく私を恋へと向かわせる
あなたの中に、その愛を見たかったのに
お気に召さなくてもいいけれど
ジャヴァネーズを踊りながら
私たちは愛し合っていた
たった一曲のあいだだけ
La vie ne vaut d'être vécue sans amour
Mais c'est vous qui l'avez voulu, mon amour
Ne vous déplaise
En dansant la javanaise
Nous nous aimions
Le temps d'une chanson
人生は、愛なしでは生きる価値がない
でもそれを望んだのは、あなたなのよ
お気に召さなくてもいいけれど
ジャヴァネーズを踊りながら
私たちは愛し合っていた
たった一曲のあいだだけ
ではまずはタイトルの件から。
結論から言いますが、色々調べましたがなかなか的確な説明が付きませんでした。まず一つ目は、表面的な意味として、ダンスの名前である「ジャヴァネーズ」。フランスでは、ワルツのようなリズムのダンスを指すことがあります。実際、この曲もゆったりとした三拍子で、踊るような雰囲気があります。しかし、このタイトルの本質はもう少し深いところにあります。「ジャヴァネーズ」とは、フランス語の単語に特定の音(“av”など)を挟んで崩す遊び言葉のことです。つまりこのタイトルは「言葉を遊びながら話すこと」を意味しています。しかし重要なのは、ここではないかと思いました。この曲の歌詞自体が、音の響きやリズムをとても重要とした言葉遊びで構成されている点です。無理やりとはなりますが、まとめると「La javanaise」にはダンス(軽やかさ・優雅さ)と言葉遊び(遊び心・曖昧さ)の二つの意味が重なっていると言えます。
では本題に入って、曲の解説にいってみましょう。繰り返されるフレーズ、「Nous nous aimions le temps d’une chanson(僕たちは一曲のあいだだけ愛し合っていた)」。早くも核心に触れます。“愛は永遠ではなくとても短いもので、音楽のように一瞬で過ぎ去るもの”として描かれています。さらに印象的なのがこの部分です。「La vie ne vaut d’être vécue sans amour(愛がなければ人生に価値はない)」。一見ロマンチックですが、直後に「Mais c’est vous qui l’avez voulu(でもそれを望んだのはあなた)」と続くことで、愛の美しさと同時に、別につながるすれ違いがにじみ出てきます。
この曲の魅力は、単なる恋愛の描写にとどまりません。軽やかなワルツ調のメロディと遊び心のある言葉、しかし内容は切なく皮肉的である点。このギャップがとてもフランス的です。表面的には優雅で軽やかですが、よく味わうと、短い恋の儚さと愛の不確かさが静かに伝わってくる、とても奥深い作品です。
最後に、この曲の翻訳の一人称を女性にしてもおかしくない理由は、60年代から現代の歌手まで、女性の歌手がカバーしているからです。女性歌手については、以下のように説明を加えたいと思います。
まず特に有名なのは、Juliette Grécoです。彼女がこの曲を初めてカバーしたことで知られていて、落ち着いた大人の雰囲気がとても印象的です。そのほかにも、多くのアーティストがカバーしています。ゲンズブールには一番近い存在であったJane Birkinは、やわらかく繊細な歌い方で、より親密な雰囲気があります。Madeleine Peyrouxは、ジャズ寄りのしっとりとしたアレンジで、歌い上げています。
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