2024年4月21日日曜日

Amazon.co.jp: オズの魔法使 [Blu-ray] : ジュディ・ガーランド, レイ・ボルジャー, バート・ラー, ビクター・フレミング: DVD

2023年7月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『オズの魔法使』(The Wizard of Oz)('39)
出演∶ドロシー=ジュディ・ガーランド
カカシ/ハンク=レイ・ボルジャー
ブリキ男/ヒッコリー=ジャック・ヘイリー
ライオン/ジーク=バート・ラー
グリンダ(北の良い魔女)=ビリー・バーク
ミス・ガルチ/西の悪い魔女=マーガレット・ハミルトン
オズの大魔法使い/占い師マーヴェル/御者/門番=フランク・モーガン
ヘンリーおじさん=チャールズ・グレープウィン
エムおばさん=クララ・ブランディック

監督:ヴィクター・フレミング

ヨーロッパやアジアの古い歴史を持つ国には、大昔から伝わる神話·伝説·お伽話がある。だが、15世紀末に新大陸として発見され、ヨーロッパからの移民によって建国されたアメリカ合衆国は、その手の神話やお伽話を持たない……と昔、何かに書いてあった。そんな背景があって、1900年代初頭にライマン·フランク·ボームによって書かれた童話『オズの魔法使』は、大いに受けたのであろう……と。(実在の英雄や大悪党を"神話化"したような西部劇が多いのも同じ理由だ……という説も…)

童話『オズの魔法使』は、1902年には、早くも舞台劇ミュージカル化されたらしい。そして、1939年に映画化されたのが、本作『オズの魔法使』ということだ。基本的なストーリーは、他の国の数多の童話や伝説·英雄譚と似たパターン。異国に出向いた(飛ばされた?)主人公が、旅の道連れになった仲間たちと、冒険を繰り広げ、悪を倒す話である。大概の人はご存知と思うが、知らない方のために、簡単にまとめると……。

[物語] アメリカ、カンザスの農場でエムおばさん(ブランディック)、ヘンリーおじさん(グレープウィン)と暮らす少女ドロシー(ガーランド)が主人公。愛犬トトや農場の下働きのハンク(ボルジャー)·ヒッコリー(ヘイリー)·ジーク(ラー)、それに意地悪な地主のミス·ガルチ(ハミルトン)や怪しげな占星術師マーヴェル(モーガン)らもいて、賑やかな日々を送っていた。

ある日、農場を巨大な竜巻が襲い、逃げ遅れたドロシーと愛犬トトは、家もろとも遥か彼方に吹き飛ばされる。落下したのは、何処とも知れぬ極彩色の"オズの魔法の国"。落下した家の下敷きになって死んだのは、"東の悪い魔女"。ドロシーは、そこに現れた北の良い魔女グリンダ(バーク)や、その地で東の魔女に支配されていた小人族マンチキンたちから英雄に祭り上げられ大歓迎を受ける。

カンザスに帰りたいと願うドロシーに、グリンダはエメラルド·シティにいるオズの大魔王を尋ねるよう薦める。エメラルド·シティを目指すドロシーの前に、"知恵"が欲しいワラのカカシ男(ボルジャー)、"心"が欲しいという木こりのブリキ男(ヘイリー)、"勇気"が欲しい臆病なライオン(ラー)が次々現れ、魔王に願いを叶えてもらうため、旅の道連れとなる。

そんな彼らの行く手を阻むのは、西の悪い魔女(ハミルトン)と、その手下の空飛ぶ猿軍団。西の魔女が狙うのは、死んだ東の魔女が履いていて、グリンダがドロシーに与えた赤いルビーの靴。魔女にとっては、強い"力"をもたらす魔法の靴らしい。艱難辛苦の果てにエメラルド·シティにたどり着いた彼らの前に現れた大魔王(モーガン)は、彼らの望みを叶えてくれるのか……!?

よくあるおとぎ話のパターンである。日本で言えば、猿、犬、キジにキビダンゴを与え、彼らを助っ人に鬼ヶ島へ殴り込んだ(?)桃太郎だ……とか、類推をしていて、ふと思ったのが『スター·ウォーズ』との類似。(こじつけっぽいが、)ドロシーがレイア姫。カカシ、ブリキ男、ライオン、愛犬トトが、ルーク·スカイウォーカー、ハン·ソロ、チューバッカ、C-3POにR2-D2……こじつけが過ぎますか?(笑) 良い魔女グリンダが、オビ·ワン·ケノービで、西の悪い魔女が、ダース·ベイダー……とかね。

『スター·ウォーズ(S.W.)』のストーリーの元ネタが、黒澤明の『隠し砦の三悪人』であることは、ジョージ·ルーカス監督が認めてるし、映画冒頭から登場する百姓上がりの落武者·太平(千秋実)と又七(藤原釜足)のキャラは、明らかにC-3POとR2-D2の原型だろう。『S.W.』の大スジも、概ね『隠し砦〜』に沿っている。しかし、(これもこじつけだが、)『桃太郎』とか『オズの魔法使』が、『隠し砦〜』の元ネタ……ということも考えられなくはない(!?)

まぁ、そういう"こじつけ類推"をするなら、ドロシー=水戸黄門で、カカシ·ブリキ男·ライオン·トト=助さん·格さん·風車の弥七·うっかり八兵衛(……あ、由美かおるは誰だ!?)……てな具合に、とんでもない想像が膨らんでしまいそう(笑) ともかく、このパターンは、万国共通で、いつの時代でも愛される物語(英雄譚)なんですね。

[余談] この『オズ』の物語を初めて知ったのは、'70年代に日本のTVで、週一で放映された30分ドラマ『オズの魔法使い』でした。ドロシー役は歌手·タレントのシェリー(この10数年TVでよく見るSHELLYではない)。ブリキ男が常田富士男で、魔女(どっちの?)が千石規子だったと記憶している。NHKの人形劇で育った世代には、なんとなく馴染みやすい外国童話でした。赤と青のセロハンを使うと(一部)画像が立体的に見えるという"元祖3Dテレビ"でした。

[もひとつ余談] 『オズの魔法使』の二人の"魔女女優"。全然ジャンル違いの作品でも、その姿を見て懐かしさを覚えました。良い魔女グリンダのビリー·バークは、ジョン·フォード監督の西部劇『バファロー大隊』で、軍法会議の裁判長夫人役。夫人仲間と共に、着飾って物見遊山で法廷見物に現れ、裁判長の夫に追い出されてました(笑) 悪い魔女のマーガレット·ハミルトンは、ヘンリー·フォンダ主演の西部劇『牛泥棒』に、無愛想でコワイ"魔女風"の家政婦役で出てました。

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