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昭和天皇は1929(昭和4)年に戦艦長門で和歌山県を訪問した。
目的は田辺湾に浮かぶ神島の植物を観察すること。案内役は南方熊楠が務めた。
南方は当時から「奇人」と言われていたので、果たして陛下の案内役が務まるか…と周りは心配したんだけど
陛下は、同好の先輩学者である南方とたちまち意気投合。
雨の神島で傘もささず、ずぶ濡れになりながら熱心に植物を採集したが、思うような成果が出なかった。
そこで熊楠はお土産として昭和天皇に150種の粘菌標本をプレゼントしたんだけど
その容器が森永ミルクキャラメルのボール紙の箱だった!?
だが、陛下は怒るどころか「普通は桐の箱なんかに入れるだろう?それがキャラメルの箱でね。でもそれがいいじゃないか」と
むしろ楽しそうに、その時をふりかえっている。
ついでに言うと陛下は約1万首の御製(和歌)を残しているけど
個人の名前を織り込んだのは
「雨にけふる神島を見て紀伊の国の生みし 南方熊楠を思ふ」だけだった。
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