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美しすぎる廃墟/サン・ガルガノ大聖堂~ノスタルジア/アンドレイ・タルコフスキーより~
IFAの建築家によるエッセイです。
毎日の中にあるちょっとした出来事も、建築家の目線で見るとどんな風景に写るのでしょうか。
今回は、「コロナが収束して、再び海外へ出かけることができたら…」をテーマに建築家・交久瀬先生に綴っていただきました。
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映画好きな私は、建築やインテリア・美術関係の仲間と映画を愉しむ会をつくっています。
最も人気のある監督はというと、「アンドレイ・タルコフスキー」ロシアの作家です。
ある時、皆で代表作「ノスタルジア」をDVDで観ている時、一人が物語のロケ地である修道院の廃墟を訪れた事があるというのです。彼によると、イタリア・トスカーナ州のシエナから3~40km、一日にバスが1本あるかないか、レンタカーで行くしかないとの事でした。
「ノスタルジア」はあまりにも難解な映画で、若い時には映像の美しさや音楽の素晴らしさにひたる事はできたものの、とても理解までは至らず、感じる事しかできなかった記憶があります。
映画のラスト、主人公の心象風景として描かれる廃墟となった屋根のない大聖堂に、音もなく雪が降り積もり、犬の鳴き声と共に、ロシア民謡が流れるシーンは今でも目に焼きついています。
タルコフスキーは本作が完成した翌年にソ連から亡命し、母国に帰ることなく亡くなりました。彼の人生という「旅」とも重なる、ラストシーン「サン・ガルガノ大聖堂」でした。
文・交久瀬常浩
建築家エッセイ IFA住宅設計室通信 vol.75/2020年7月号より
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-建築家プロフィール-
枚方出身。枚方高校、関西大学工学部建築科学科卒業後、株式会社ヘキサにて、住宅・コーポラティブハウスの設計に従事し、現事務所設立。
「家づくりのあるべき姿を追求する」という志の元、室長菊井と共に「IFA住宅設計室」を設立。現在、大阪市立デザイン教育研究所非常勤講師。
-家づくりへの想い-
大量生産のモノや情報があふれる現代でも、ヒトとして率直な要求であり、昔から変わらない本質的なことが「気持ちの良さ」だと思います。
木々の緑、草花、空、雲、一日の移ろい、天候、春夏秋冬、共に古びていくモノ…あらゆる事象と対峙し、住まい手の「気持ちの良さ」を紐解き、カタチにしていけたら…日々そんな思いで住宅をつくっています。
写真:階段ギャラリーのある家-新旧デザインの融合-→WORKSをみる
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