超SF大作「三体」を読みましたか?<ネタバレあり>
はじめに
書店のエンドでディプレイされていた分厚いハードカバーの小説「三体」。気になっていたけどなかなか手に取ることができず数年経ちましたが、外部活動自粛で時間をもてあますことも多く、とうとう第1部を購入。その時、たまたま3部下が発刊され日本での物語として終結したところでした。
率直な感想は「科学用語詰め込みすぎ」「風呂敷広げすぎて回収できていない」「荒唐無稽な物理学」「関連がある、後から出てくると期待していた人物がそこで終わり!」といういったはちゃめちゃな展開でした。
え?ディスっていると思われますが、ハードカバー5冊をちびちび会社からの帰る電車の中で6ヶ月読んでこれた作品ということはとても魅力的で、惹きつける作品だったからに違いありません。
これだけの大作を読んだのは、30年前「銀河英雄伝説」を読んで以来だなあ。どちらも宇宙ものですが、銀英伝はスペースオペラ、三体はハードSFといった感じです。ちなみに三体作品中に、ヤン・ウエンリーの名言が記載されているんですよ!
作者は中国人の劉慈欣氏。なので中国が舞台で、中国人が多くでてくるので、名前が難しく、覚えられない!感じなので、読み方間違って覚えて読んでいたかも。まあ、後半は地球上の国という概念もなくなってしまうのですが。
なので、勝手にアニメ化したらこんなキャラデ、CVはこの人とイメージして読んでいました。そして、4次元から見た3次元世界、3次元が2次元になってくビジュアルもなんとく頭でイメージ出来て読んでいました。そして、BGMには平沢進の「Adore me I am TV」。これが巨大アンテナと不気味に近づいてくる三体人のイメージにぴったりなんです。
https://susumuhirasawa.com/free-music/media/CHTE-0074/Adore_me_I_am_TV.mp3
で、大まかなストーリーとツッコミ
第1部
文化大革命で父親を失った女性科学者 葉文潔。人類に絶望した彼女は電波メッセージを太陽に向けて増幅し、地球外生命体とコンタクトをとります。それから数十年後、基礎科学者の謎の自殺、インテリしか参加できないVRゲーム「三体」の存在、そのゲームに参加するナノマテリアル研究者の汪淼、不可解な事件を調査・汪淼を守る史強が登場。謎の事件・VRゲームを運営している黒幕は葉文潔の電波メッセージを受信した三体人を神と崇める団体(ETO)だった。
結局史強らの活躍で、ETOは壊滅するのですが、三体人が地球に侵略に来ると言うところで終了。
第2部 上下巻 黒暗森林
三体人は光速よりもハイスピードで地球に送り込んだ多次元展開できる智子を使い、基本科学技術を封じ込め、地球側の情報を筒抜け状態にします。しかし、人間の考えまでは智子は感知できず、そこで「面壁者」という誰にも対三体人対策を語らず対応する4名を選出。その中の一人羅輯が主人公で、のらりくらりふるまいますが、ある星に呪いの呪文をかけ冬眠技術を使い時代をジャンプします。時代が進み、奢った人類は三体の偵察機を艦隊で捕獲しようと行動をとりますが、たった一機の偵察機で2000もの艦隊は全滅!しかし、最終的には彼が最終三体人に対して、抑止力「黒暗森林」を発動させ見かけの平和が訪れます。実は三体人以外にも広大な宇宙には知的生命体がおり、ここにいるよと示すと他の生命体に抹殺されるという宇宙社会学。星への呪文はその星の座標を全宇宙に発信したからであった。
第3部 上下巻 死神永生
話は2部スタート時と同じ時期にもどり、航行エンジニアの程心が主人公。彼女の陰湿ストーカーだった雲天明の脳だけ宇宙に送り出し、迫ってくる三体艦隊にスパイとして潜り込ませる作戦。黒暗森林抑止力の引き金を握る執剣者となった羅輯から引き継いだ程心だったが、その隙を狙い三体が反撃。地球は三体人操られている智子に制圧される。
しかし、生き残りの地球艦隊が三体星の座標を示したため母星が他の生命体によって消滅、智子は撤退。しかし、地球も他の生命体からの攻撃に怯えることに。雲天明が三体文明から得た知識をお伽話に織り交ぜて伝えてきた、黒暗森林対応として
太陽が破壊される瞬間、木星より遠い惑星の影に潜んで耐え凌ぐ掩体案。曲面推進を使った光速を越えるドライブをつかった太陽系脱出案。光速を極限まで落として、外から見えなくしてその中に籠る計画。
結局は他の生命体は、紙切れを太陽系に送り込み、それは3次元を2次元にするトリガーで、掩体する意味もなく地球人2次元に閉じ込められ全滅。しかし曲面推進ドライブをもった宇宙船に乗船した程心は遥か彼方まで逃避し、ある星で艦隊の生き残りの関一帆と出会い、新しい宇宙へ旅立つ。
というストーリー。もっと上手く説明している概略は、youtubeや色々なサイトで紹介しているので、探してみてくださいね。
で、ツッコミどころ。
①太陽って電波を増幅する力ってあるの?
②太陽系から一番近い恒星、アルファケンタウリが三体星の設定。確かに3重恒星だが、そこに知的生命体がいたなんて!
③VRゲームの三体の世界がとてもまどろっこしい!
④ナノテクノロジーでできた細い糸で、侵入してくるタンカーと乗船しているメンバーをぶったきって全滅させる!テグスを這わせて、バイクにのった暴走族に危害を加える方法と同じ!
⑤三体艦隊が地球到達まで400年。それよりも前に多次元展開できる智子を瞬時に地球に送り込むが、影響を与えているようで、していない?基礎科学の進歩を阻害しているっていっても結構人類は科学を進化させているぞ!
⑥人類VS三体星人かと思いきや、他の謎の生命体が先に三体星を攻撃消滅させてしまう!!三体艦隊の活躍はほどんどなし。
⑦場面や時代が色々飛んだ書き順。
⑧冬眠技術で相当の時間をジャンプしている。しかし、その時代の人々は困難な状況になったら冬眠した人物のことなんてお構いなしに破棄しちゃうんじゃないかな?
⑨結局は三体の知識を雲天明のおとぎ話で程心に伝えて黒暗森林からの回避方法を教えるんだったら、わざわざ雲天明と程心を合わせなくてもいいのでは?
⑩何も見えない森林で、明かりや音がした方向に無差別に弾を打ち込む心理(真理?)関係が宇宙ではまかり通っている?それを武器として抑止できるのか?。核の抑止力と同じ。
11.太陽が破壊されても、惑星は公転し続けるの?
12.最終的に太陽系に紙切れを送った生命体は何?宇宙が生き物のように表現されていたけど何?
13.へんな逸話が入ってくる。
まだ、いっぱいあるけどね・・・。
おわりに
そう、キャラでイメージできたのは葉文潔。CVは早瀬未沙とおなじの土井美加さん。暗くて、つかれたおばさん役にはぴったり。
そして史強のCVは大塚明夫さんか山寺宏一さんですねえ。
誰か、登場人物のイラスト化してくれないかな?
Netflixや中国のTV局でのドラマ化が決まって進行しているようですが、アニメ化もしてほしいな。読んでいて、絶対にこれはハリウッド映画化を前提で書いているだろう?なんても考えました。
ハードなSF感を体験したい人は是非読破してみてくださいね。
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